カテゴリー
カルチャー

テーマパークを楽しむ秘密!!隠されたバックグラウンドストーリー

17Z1-035 粕谷 夏美
東京ディズニーリゾートでは何気なく乗り物を乗って、ご飯を食べて、買い物をして楽しむことがほとんどだろう。しかしディズニーにはエリアや建物に隠されたストーリーが設定されている。このストーリーがバックグラウンドストーリーである。バックグラウンドストーリーはあまり知られていないため、それを知ることで新たな楽しみ方を伝える。
家族ポップカルチャーテーマパーク
プレゼン動画を見る!

バックグラウンドストーリー

 ストーリーと聞くと、辞書でいう物語などで、神話や作者が自由なスタイルで描く小説のことを一般的に思い浮かべるだろう。
 私が研究するバックグラウンドストーリーとは、テーマパーク=「東京ディズニ
ーリゾート」のディズニー独自であるショップやアトラクションが内包する「バックグラウンドストーリー※以下BGS」のことである。ディズニーのアトラクション開発プロセスでは1番最初にこのBGSから始められるほどBGSづくりは重視されている。BGSは、ストーリー展開が明確で東京ディズニーリゾートのエリアやアトラクション、置物などの小物にまで裏エピソードが設定されている。
 そんなBGSが国によって違うアトラクションがある。東京ディズニーシーにある「タワー・オブ・テラー」を1つ例としてあげる。実は「タワー・オブ・テラー」という名前は日本だけなのだ。アメリカやパリは「トワイライトゾーン・タワー・オブ・テラー」という名前なのだ。「トワイライトゾーン・タワー・オブ・テラー」は建設場所がハリウッドエリアにあり「ハリウッド」をコンセプトの元に制作されたが、日本の建設場所はニューヨークエリアである。そのため「ハリウッド」と「ニューヨーク」とではコンセプトが異なり新たにBGSが作られたため日本だけオリジナルBGSになったのだ。
 BGSはどのぐらい認知されているのかリサーチした。BGSを知っていますかとアンケートを取った結果66人中54%が知らなかった。「知っています」と答えた方でも「テレビや本で少し知っています」と詳しくは知られていないのだ。またBGSを知りたい知れたら面白いなと思いますかというアンケートを行うと65人中87%が知りたいという結果になった。そこでBGSを知ってもらうための企画を提案する。

バックグラウンドストーリー例
東京ディズニーシーにあるレイジングスピリッツの一部です。考古学者を見てお金になると考えた民族たちは遺跡を発掘した。考古学の知識もなく勝手に再現をし水の神と火の神だと知らず向かい合わせに建設してしまう。実は水の神と火の神が遺跡であり向かい合わせにしてはいけないことが考古学者によってがわかったが時すでに遅かった。

待ち時間を利用した企画案

 東京ディズニーリゾートの人気のあるアトラクションの待ち時間は平均で約60分以上ある。休日には約70分以上にもなる。2019年、東京ディズニーシーにオープンした「ソアリン・ファンタスティック・フライト」は約300分待ちという5時間以上の待ち時間となるのだ。そこで待ち時間に何をして過ごしていますかとアンケートを行うと世間会話やスマートフォンゲームを利用して待つ人が多くいる結果になったのだ。そこで、この列に並んで待っている待ち時間を利用してBGSを楽しく知ることのできる企画を提案する。

アトラクションの平均待ち時間は平日は約60分、休日は約70分という結果になった。

バックグラウンドストーリークイズ

 アトラクションの待ち時間を利用した親子で楽しめる「バックグラウンドストーリークイズ」を提案する。バックグラウンドストーリークイズはアトラクションで長い待ち列の途中にある建物や小物を見てクイズを解きながらバックグラウンドストーリーを知ってもらうことが目的である。
 電子媒体と紙媒体2種類を用意した。現代はスマートフォンを利用している人がほとんどであり、またコロナ禍でなるべく物との接触を避ける人が多いことから電子媒体を用意した。それによって自分自身のスマートフォンでスクロールし、クイズを行うことができる。紙媒体はスマートフォンの使用が苦手な人やご年配の方々のために簡単に手にすることができるよう制作した。
 この2種類を親子と友人同士の5組に体験してもらうと、「どちらも長い待ち時間が会話だけでなく周りを見ることで新たな発見ができた」「より親子の会話が増えた」など意見を頂いた。「バックグラウンドストーリークイズ」でBGSを親子だけでなく、幅広い年代に楽しく知ってもらい、新たな発見と楽しみ方を提供したい。

A4サイズで三つ折りのパンフレット
実際に東京ディズニーリゾートで使用されているガイドマップと似ていて、持ち運びがしやすい。1面にBGSとクイズがあるため見やすい。

粕谷 夏美

好きな授業
プロダクトデザインCというギフト制作をする授業です。今までにない貰って喜ばれるギフトを考え、作成しました。実際にパッケージまで制作し、小さなイベント会場で販売を行うため、なんども教員とやりとりをして最高のギフトを制作できました。

学部を振り返って
デザイン学部は仲間思いでまとまりのある学部でした。授業のほとんどは作品や企画を考え、授業終わりも作業をしていました。作業中は仲間で協力し合い完成した企画もあるため、まとまりのある良い仲間に囲まれたデザイン学部でした。

学部で身につけた力
デザインについて基本などを身につけてきましたが、企画表現演習で企画力や発想力が1番身につきました。難しい課題などで苦戦してきましたが、4年間企画表現演習を学んだことでデザインするうえで企画の大切さを知り身につけることができました。