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何故レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画は人々を魅了するのか

17Z1-030 長田 萌花
「何故レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画は人々を魅了するのか」を研究テーマに考察を行いました。何故彼の絵画作品は多くの人に"美しいと感じさせるのか"、"魅了するのか"という疑問を持ち、その答えとして、「彼の作品に込められた強い思いが、私たちを美しいと感じさせるのだ」という結論を導き出しました。その思いとは何であるのでしょうか?
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レオナルド・ダ・ヴィンチとは?

それでは、初めにレオナルド本人について説明します。レオナルド・ダ・ヴィンチは、1452年4月15日にフィレンツェ共和国のヴィンチ村にて生まれました。公証人であったセル・ピエーロ・ダ・ヴィンチと、農夫の娘であったカテリーナとの間に非嫡出子として誕生します。幼少期は、正当な教育は受けずに、自然と共に暮らしていたレオナルドは、自然(特に水)に対して人並みならぬ興味を抱いていました。この頃から自然と触れ合い、豊かな感性を磨いた彼は、後の大芸術家になるのでした。
1460年代なかば、彼が14歳ぐらいのころになると、フィレンツェに住んでいた彫刻家のアンドレア・デル・ヴェロッキオのアトリエで絵を学びます。この時に彼は、理論訓練と技術能力の両方の領域において幅広い関心を持っていました。こうして、見習いの経験を経て、1478年にヴェロッキオのアトリエ工房を出ます。のちに、1475年に「受胎告知」を完成させ、1483年には「岩窟の聖母」を制作、1498年に「最後の晩餐」を完成させました。また、教科書に載っている有名な世界で最も有名な絵画「モナ・リザ」もまた、彼が描いた作品の一つです。

彼の作品は「数学的」だった?

レオナルドにとって、絵画は実験の場でもあり、当時最も新しい製図法を用いて描いています。モナ・リザは三角構図、岩窟の聖母はピラミッド構図、最後の晩餐は遠近法が主題に向いている一点透視図法です。これらは数学的絵画と言えるのではないでしょうか。モナ・リザは、三角構図の他に「黄金比」であると言われています。黄金比とは、人類が最も美しいと感じる比率のことです。
この計算された技法は、多くの人に美しいと感じさせるような美、つまり普遍的な美の追求と言えます。彼は、画家としての活動では、パトロンから依頼されたものを制作することが多かったとされています。そこでも依頼主の要望に応えるための葛藤が生まれ、美しさを追求することで、認められようという思いがあったようにも感じます。

「モナ・リザ」
モナ・リザ、別名ラ・ジャコンダは女性の上半身が描かれた半身肖像画です。この作品は、「世界で最も有名な絵画」と言われており、美術の教科書にも載っているほどに認知度がかなり高い作品です。

「岩窟の聖母」
この絵画に描かれている人物は、中央が聖母マリア、左の子どもがキリスト、右の子どもがヨハネ、右でキリストを指差しているのが天使です。

彼の思い、美しさへの固執

このような、美の追求や承認欲が、彼の作品に込められた強い思いとなって、私たちを不思議で美しいと感じさせるのではないでしょうか。計算され尽くした構図から生み出された普遍的な美しさや、それらを生み出すための飽くなき探究心。それらが我々を「美しい」と感じさせたいという、彼自身の思いとなって作品に現れることで、私たちは圧倒されてしまうのです。同時に、自分の求めていた美しさや、欲しかったものを手に入れたような感覚に陥ります。これは、「普遍的な美しさ」が今の世にも受け入れられて、本当の「普遍的な美の追求」の研究結果となるのです。結局、彼の作品は、ひとの思いによって描かれた、ひとにとって美しいと感じさせる狙いがある、ひとのための作品であったのです。つまり「ひとが彼の作品に魅了される以上、称賛され続ける」のです。彼の美の追求が、時代を超えた私たちにも評価されているのは、彼にとって人間のための作品であったのであれば、彼の美の追求結果は大成功であったのでしょう。

長田 萌花

好きな授業
好きな授業は、「材料加工実習(土・ガラス)」です。この授業は、実際に作品を制作することで、土・ガラスについて学びます。選んだ理由は、実際に素材に触れる良い機会となったからです。

学部を振り返って
デザイン学部は、企画表現演習に加えて実技科目もあり、忙しいですが学べることの幅が広く、充実していました。また、私は人と関わることに苦手意識が強く、難しく感じるカリキュラムもありましたが、様々な人と関わることで良い経験となりました。

学部で身につけた力
コミニュケーション能力です。人と接することに苦手意識が強かった私ですが、企画表現演習やプレゼンテーションをすることで、少しづつ経験を積み重ね、自分の意思を相手に伝える大切さを学びました。