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教育

モンテッソーリ+愛情=無限の可能性

17Z1-097 富永 大貴
モンテッソーリ教育を取り入れた保育園のインターンシップに参加したことがきっかけとなり、モンテッソーリ教育に関心を持った。子ども達の健やかな成長、将来の可能性の拡大につながるような保育や教育について、モンテッソーリ教育やモンテッソーリのマインドと、大人から子供への愛情をベースに模索した。
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What’s a Montessori education ?

 モンテッソーリ教育とは、一言で言うと子どもに備わっている自信を育てる教育である。特徴としては、手先の巧緻性を高める教具の使用や子どもが自発的に活動できるような環境構成などが挙げられる。また、子どもの発達段階に現れる「敏感期」[※1]を大切にし、発達段階に合わせて教育環境を用意することも特徴の一つである。
 この教育を確立した、マリア・モンテッソーリ[※2]は医学博士であり、教育家である。モンテッソーリは子どもを科学的に観察し、得た事実にもとずいて教具を開発するなど、教育法を徐々に確立していった。彼女は、2度の戦争による迫害や悲惨な経験、さらには、スラム街の子ども達への教育を行っていた過去から、平和で調和が取れた世界の建設には、教育の力が必要であると考え子どもに託した。モンテッソーリ教育は、自由、個性、声明などの標語を掲げていることからも、彼女の歩んできた人生や経験が現れていると思う。
 また、モンテッソーリ教育を受けた著名人として、将棋棋士の藤井聡太氏、NBAプレイヤーのステフィン・カリー氏、元アメリカ大統領のバラク・オバマ氏、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏などがいる。著名人たちの活躍を見ると、自分自身で考える力と主体性という点がとても強く育つことが分かる。また、様々な世界で活躍していることから、どの世界でも戦っていくことができる思考力や行動力が備わることが、モンテッソーリ教育の強みであることが分かる。

※1 敏感期
成長の過程で「ある特定の機能」を成長させるため、特別に際立った感受性を持つ時期。対象の機能を難なく獲得することができる。

※2 マリア・モンテッソーリ
ローマ大学最初の女性医学博士。自身の教育法の普及と教師の養成に精力的に取り組み、多くの著者を残した。

富永流アップデート

 モンテッソーリ教育に対する認知度を調べるためにアンケート調査を行った。20~50代男女を対象として、53名に協力していただいた。まず、認知度については、37%の人がモンテッソーリ教育を知っている、63%の人がモンテッソーリ教育を知らないという結果が出た。次に、自分に子どもがいた場合モンテッソーリ教育を受けさせるかについては、14%の人がはい、12%の人がいいえ、74%の人がわからないと回答していた。
 また、親御さんから愛されているなと感じた事はあるか、もし自分に子どもがいたらどんな風に成長して欲しいかという質問をした。結果は、ほぼ全員が、親からの愛情に対するありがたみや、自分の子どもがいたら同じように愛情を注いでいくと回答した。回答結果のような子と親の関係性ができていることが、子どもを取り巻く環境を良くするためには重要である。今、世の中では様々な形の親子関係が存在する中、少しでも親子間の愛情を密にすることができる工夫や、社会全体の取り組みが必要となっている。 
 アンケート調査や、専門家へのインタビューから、モンテッソーリ教育を家庭内でも取り入れる為に、手軽に用いることのできる着衣枠[※3]を作成した。この着衣枠は、パーツにバックルや金具、洗濯バサミなど、現代の生活でよく使用されるようなものを用い、必要となる手の動きを習得できるものである。マリア・モンテッソーリが生きていた当時では、触れることのなかった素材や、過ごす事の無かった生活を想定することによって、アップデートが成されたものになっている。

※3 着衣枠
繰り返し練習することで、日常生活の基礎訓練や子どもの自信に繋がる。
catalog.hoikucan.jp

保育士としてのこれから

 私は、卒業後は保育士として働くことになっている。また、国家試験をうけ保育士の免許を取得中である。専門の学校を出ているわけでもないので知識も経験も足りない自覚はある。また、たった22年しか生きておらず、この前まで子どもだった自分が子どもを育てていいのかという葛藤が常にある。だが、自分が関わる以上、子どもたちには全員、健やかに成長して欲しいと願っている。そこで、大切にしていきたいのは、姿勢とマインドである。子どもたちと人間対人間として誠実に向き合うような、同じ目線でいることが大切であると考える。持つべきマインドとしては、子どもたちが自立するまで、援助を惜しまず、尽くす・支えることであり、それが、子ども達が健やかに育っていく事に繋がっていくと信じている。今の自分に一体、何が出来るのか正直分からない。しかし、大人として必要だと考える姿勢とマインドや、子どもたちに対して純粋な気持ちで、ひたすら向き合うことから始めて、硬くなりすぎず、気楽に頑張っていこうと思う。

富永 大貴

好きな授業
私が好きな授業は「クラフトB」です。この授業のおかげで、将来的に力を入れていこうと思っている陶芸に、興味を持つことができました。触り程度ですが、技術や知識を身につけることもでき、何より毎回楽しく受けていた事を覚えています。

学部を振り返って
戦友とも呼べる、友達を超えた人間と出会えました。お互い切磋琢磨して、とても4年間だとは思えないくらい濃い時間を過ごせたと思います。おかげで、大学生活は良い思い出です。

学部で身につけた力
どんな時でも諦めずに頑張る事です。デザイン学部ではやらなくてはいけないことが多かったので、自分のプライベートとの両立が困難になる時が多々ありました。ですが、スケジュール管理や、忍耐力が物をいうことを実感し、身についたと思います。