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学生に愛されるキャリアセンターとは?

17Z1-028 荻原 万実
明星大学の学生に、よりキャリアセンターを愛してもらうための研究を行いました。調査をするとキャリアセンターを利用しにくい、どんな支援をしてもらえるかわからないと感じている学生がいることが分かり、『明星大学キャリアセンターのためのデザインガイドブック』と『明星大学キャリアセンター特設サイト』という企画を提案しました。
大学(学生)コミュニケーション心理
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研究の背景

 私は、勤労奨学生[※1]としてキャリアセンターで勤務をしていた。キャリアセンターの職員の方々は、勤務以外の時間にも声をかけてくださるほど優しく気さくな方が多く、勤労奨学生としても仕事がしやすかった。
 しかし、知り合いがキャリアセンターを訪ねてくることが少ないと感じたり、知人が立ち入りにくいと感じていたりすることを知り、その原因は何か、またどうすれば現状を改善できるのかと考え始めたことが研究のきっかけとなった。
 実際に明星大学と他大学の大学生を対象に、キャリアセンターの利用頻度やイメージなどについて、SNS等でアンケート調査への回答を呼びかけた。すると、最初に利用するには勇気がいるといった意見が多く、就職の相談をするのはゼミの先生や周りの頼れる大人になってしまっている様子が見受けられた。しかし、一度利用したことのある学生は職員さんに対して親切で優しいなどの印象を持っており、一度利用してみると学生の持っている負イメージが覆るということもわかった。

※1 勤労奨学生
学内の事務補助などの勤労に対し返済不要な奨学金を給付する勤労奨学生制度。

アンケート調査の結果(一部抜粋)
利用したことのない人がマイナスなイメージを抱いてしまっているケースが多いということがわかった。

学生に愛されるキャリアセンターになるために

 そこで、より多くの学生がキャリアセンターに対して良い印象を持てるようになるきっかけとして2つの企画を考えた。
 1つ目はデザインの知識がないキャリアセンターの職員や、勤労奨学生がポスターやチラシ、プレゼンスライドを作成する際に参考にすることができるデザインガイドブックである。このガイドブックを活用してもらうことで、デザイン初心者でも、分かりやすい情報の伝え方ができ、統一感のある広報物の作成が可能になる。また、キャリアセンターからの情報発信は分かりやすいというプラスのイメージを学生に認識させることできると考えた。
 2つ目の企画は「明星大学キャリアセンター特設サイト」の開設である。現状、学生はキャリアセンターからの情報を①メール②勉天[※2]③明星LMS[※3]という複数の場所から入手する必要がある。そのうえ、これらで連絡される内容はサイト同士で共通している項目もあれば共通していない項目もあり、煩雑な情報発信になってしまっている。また、明星大学の公式ホームページ内の、キャリアセンターページでは、必要最低限の施設情報しか記載がされておらず、キャリアセンターの雰囲気やサービス内容を詳しく知ることができない。
 そこで、これらの問題を解決するためにキャリアセンター専用WEBサイトの開設が効果的だと考えた。今まで、複数のサイトで分散されていたキャリアセンターについての情報を集約して1つのサイトにすることで、アクセスがより便利に効率よく行われると考える。また、イベントの情報や、職員紹介、利用方法を分かりやすく掲示することでキャリアセンターを利用しやすくなったり、利用してみたいと思う学生が増えたりするのではないかと考えた。

『明星大学キャリアセンターのためのデザインガイドブック』
デザイン初心者でもすぐに取り入れることができ、制作の際に役立つ簡単なポイントをまとめている。余白の幅を整える際に使用するガイド線の表示方法などは、職員の方の利用率が高いPowerPointで解説しており、①プレゼンスライド作成のコツ②ポスター・チラシ作成のコツの2部制となっている。

※2 勉天
1つ1つのタイトルをクリックすると詳細が表示され、資料が添付されている場合にはダウンロードが可能。大学内の各部署からの連絡事項、スケジュールや履修登録の確認を行ったりすることができる。

※3 明星LMS
“コースニュース”という項目にイベントのお知らせや更新された施設情報が掲載される。クリックすると詳細や、資料のダウンロードが可能となる。基本的に授業に関する情報の確認や、レポートなどの提出に利用する。

今後について

 本研究を通じて、学生がキャリアセンターに対して堅苦しいイメージを持っていることの原因は1つに特定することが難しく、現状解決していくことのできる問題を少しずつ解決していくことが学生に愛されるキャリアセンターになるための近道なのではないかと思った。
 私が考案し、提案することのできた企画案はほんの僅かであり、さらに学生にキャリアセンターを愛してもらうためにはまだ改善の余地があると感じた。本研究では、学生がキャリアセンターを利用したくなるような仕組みについて提案したが、今後は、利用した学生がイメージした通り、もしくはそれ以上の満足感を得られるような空間作りやホスピタリティーが必要になってくると考える。

荻原 万実

好きな授業
好きな授業は、「グラフィック表現A」です。自分で商品を考え、ポスターとリーフレットの制作を行うという授業でした。商品に合わせて世界観を作り込むことがとても楽しく、興味のあったグラフィックをさらに勉強したいと思うきっかけとなりました。

学部を振り返って
辛い時すぐに気づいて声をかけてくれたり、行きたかった場所に一緒に行ってくれたりする、素敵な友人ができて幸せだと感じます。これからも仲良くしてほしいです。

学部で身につけた力
作業の大半がパソコンだったことからパソコンスキルが身につきました。また、授業内でグループワークや話し合いが多かったことや、色んな立場の方々と関わることが増え、自分の意見を積極的に話す力がついたと思います。