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お手紙包み

17Z1-098 鳥丸 真由
「お手紙」や「文通」といった衰退した日本文化をもう一度発展させるきっかけ作りのために、「お手紙包み」という商品の企画提案をする。 コンセプトは、「日々を忙しく過ごしている社会人が、たとえビジネスの場でもさっと手軽に手書きのお手紙を用いて感謝や気持ちを伝えることで、職場の環境や雰囲気が穏やかになる」である。
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衰退する日本の「お手紙」文化

 「お手紙包み」の商品の企画提案に至った理由は主に2つある。
 1つ目は、「お手紙[※1]」や「文通」に関する衰退した日本文化をもう一度発展させるきっかけ作りをしたいからである。私自身、小学生の頃はお手紙交換をよく友達と行っていたが、最近お手紙を書くことは、何かの節目の機会にならない限り書かなくなった。他にも、私の同級生に聞いてみたところ、「年賀状[※2]」「暑中お見舞い[※3]」「寒中お見舞い[※4]」など様々なお手紙でのやり取りをしなくなったという人が多いのも事実であった。
 2つ目は、多忙なビジネスの場で、さっとお手紙でも感謝の気持ちを伝えることで職場の環境や雰囲気が穏やかになるのではないかと考えたからである。以上のことから、「お手紙包み」という商品の企画提案に至った。

※1 お手紙
何かの節目や、挨拶状などの様々な機会に、特定の相手に対して伝えたい気持ちを綴る。

※2 年賀状
新年を祝う挨拶状。

※3 暑中お見舞い
暑い夏の時期に送る時候の挨拶状。

※4 寒中お見舞い
寒い冬の時期に送る時候の挨拶状。

現在の「お手紙」の市場価値とは

 お手紙包みという商品の企画提案をするために、お手紙に関する市場調査を行った。
10代から60代の社会人の方々をターゲットとし、Googleフォームで、2020年7月から8月の期間に実施した。アンケート調査への回答者数は、10代2名、20代35名、30代5名、40代17名 50代4名の計63名である。ちなみに、男女比は女性が49名 男性14名である。
 アンケート調査の1つ目は、「あなたは会社の同僚や上司、後輩に感謝を 伝えたいけれど、直接話せない時にどんな手段で伝えますか」という質問だ。結果は、ラインやメールに文字を打ち込んで伝える派が56%、手紙やメモ書きに書き込んで伝える派が33%、その他が11%であった。回答理由からは、手軽さや便利さが求めれらていて、手紙の市場価値は下がっている印象だった。
 2つ目は、「あなたは会社の同僚や上司、後輩と直接話せない時に、どんな手段で感謝をされたら、より嬉しいと感じますか」という質問だ。結果は、ラインやメールを打ち込んで伝える派が24%、手紙やメモ書きに書き込んで伝える派が60%、その他が16%であった。回答理由からは、手紙の方が嬉しいという回答が多く、市場価値が下がっていたとしても、手紙の価値自体は下がっていないと捉えた。しかし、気軽さは常に求められていると考えた。
 3つ目は「あなたは会社の同僚や上司、後輩に
手紙で感謝を伝える時、
手紙に関してどんなことを重要視しますか」という質問だ。結果は、文字の書きやすさ、書き心地などの機能性派は18%、見た目の印象などのデザイン性は62%、その他は20%であった。回答理由からは、手紙をあげるなら、自分が書く時の居心地よりも、相手のことを考えたくて見た目の印象を選択する人が多かった。また、T P Oを弁えながら使用することのできるシンプルな手紙が求められていると考えた。

「お手紙包み」の企画提案

 アンケート調査を踏まえて、私は企画提案する上で3つのポイントに絞った。
 1つ目は、問題点である手紙に対する手間のかかる印象を払拭することである。2つ目は、多忙な中でも社会人が手軽に書くことがきることである。3つ目は、受け取った側が感謝の気持ちに包まれるようになることである。私は、以上のポイント3つを踏まえて書き手は手軽に、けれど受け取る側は感謝の気持ちで包まれるように願いを込めて、「お手紙包み」という商品の企画提案をする。
 「お手紙包み」のイメージ図は画像参照である。箱状なものに付箋のような紙が包まれていて、付箋の紙を切り取って使う商品になっている。
 「お手紙包み」の特徴はポイントを踏まえた上で3つある。1つ目は、シンプルなデザインかつ箱状で、デスクに置きやすいことである。手紙を保持しておくのに、意外と手間が取られますが、箱状で小さなサイズなら保管しやすくなっている。2つ目は、付箋のようなクラフト紙で他の紙との差別化や気軽さがあることである。手紙を受け取る側は、クラフト紙なので、他の白い紙とは違うため、紛れる心配が減る。また、小さな紙なので、気軽に読んで捨てることもできたり、保管もしやすかったりする。3つ目は、箱から紙を取り出す動作があり、丁寧に書きたくなるようなちょっとした手間があることだ。付箋に書くような感覚である手軽さはありながら、手紙として書くという心構えが可能である。
  パソコンなど機械を通して文字を打つのではなく、自分の言葉や自分の文字で、相手に真心を込めて感謝の気持ちを伝えるきっかけになるもの。それが「お手紙包み」である。

鳥丸 真由

好きな授業
「サウンドデザイン実習」という授業です。アプリを使ってオリジナルのサウンドを作ったり、先生のミュージックに関するお話が興味深かったり、未知なことばかりで面白かったです。

学部を振り返って
入学したての頃は、ひたすら課題に追われていて大変で余裕がありませんでした。しかし次第に慣れて時間を有効的に使えるようになり、今思えば全てにおいて素敵な経験でした。

学部で身につけた力
コミュニケーション力、プレゼンテーション力、企画力などデザイン力以外にもたくさんのことを身に付けることができました。この先の社会人でもきっと役に立つと思っています。