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写真を共有する魅力と撮影意欲向上の研究

17Z1-051 喜美候部 絢哉
現代においてカメラはスマートフォンにも搭載されていて、非常に身近な存在として日常でたくさんの方に使用されています。しかし、自分の納得する写真を撮影できないことが原因で撮影意欲が無くなる方も少なくありません。この研究では、写真が持つ魅力を再確認してもらうことが狙いです。写真によって魅力的に思い出を残すための提案をします。
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研究背景

 私が写真を研究テーマにしたのには3つの理由があります。「日常でよく写真を撮影するから」「写真に含まれる世界観や要素に惹き込まれるから」「写真が多くの方にSNSで共有されているから」です。
 1つ目、私は普段の日常でスマートフォンのカメラを使用して、風景や人物を撮影することがとても好きです。なぜなら、素敵だと思った瞬間を1枚の画像として切り取って保存して、後で見返すことが可能だからです。私が考える現代の写真の価値は、表現として多くの人々の心に残るものではなく、生涯自分自身が過ごしてきた日々を忘れないような写真に価値があるのではないかと思います。
 2つ目、私はよく写真に含まれる要素に魅了されることが多いです。なぜなら、写真で表現されるその場独特の空気感や臨場感、⼈物であれば表情やポーズなど多くの要素を写真から深く感じ取れるからです。そのような写真を撮るために、私は普段から構図や表現といった要素について深く知り、カメラについて理解すべきなのではないかと考えています。
 3つ目、私は普段撮影した写真をSNSを用いて投稿しています。写真を投稿し共有することで「いいね」や「コメント」といったコミュニケーションが発⽣します。そこに着⽬し、共有することで⽣まれるコミュニケーションのメリットを多くの方に伝えることで、写真の魅力がさらに広まりカメラを使うユーザーが増えると考えたからです。

見えてきたカメラの問題点とは

 本研究を進める上で、20代から30代の約50人に対してInstagramとGoogleを用いてカメラについてのアンケートをしました。 アンケート結果から「カメラの設定する項目が多すぎる」「撮影した写真が良いものか悪いものかわからない」主にこの2つの問題点が浮き彫りになりました。
 まず、カメラの設定する項目が多すぎるということです。ダイヤルには様々な表記があり、画面にも詳細設定が多く映し出されています。私の実体験から、「F値、シャッタースピード、ISO感度って何だろう」と思うことも度々ありました。この時点でカメラに対して苦手意識を持つ人も少なくないのだろうと考えました。これらの設定を扱えるかどうかで撮影できる写真の幅は大きく変化します。
 次に、撮影した写真の良し悪しについてです。私も最初は無我夢中で写真を撮ることが多かったのですが、実際その写真は良いものなのかどうか分かりませんでした。SNSを利用して他人に共有することも問題を解決する一種の手段ではないかと考えます。共有することで第三者の意見を聞くことで写真の良し悪しが分かることもあれば、他人の写真を見ることで知らなかった表現や構図を知ることができるからです。
 2つの観点から「カメラの設定が難しくて思った通りの写真が撮影できず、その結果、カメラに対してのモチベーションが下がってしまうこと」が問題なのだと考えました。

魅力的に価値のある写真を残すための提案

 自身の写真の価値をワンランクアップさせる2つの提案をします。その方法は「SNSのタグを利用して国内のみならず世界中の方に見てもらうこと」と「撮影テクニックを身につけ写真に自分の世界観を与えること」です。この2つの方法を極めることが写真をより魅力的に残すのに最適だと考えました。
 まず、SNSのタグを利用して国内のみならず世界中の方に見てもらうことについてです。例えば、Instagramで写真を投稿する際に皆さんは投稿文の欄にどういったことを書き込むでしょうか。書き込まない人もいると思いますが、多くの人はその写真に対して一言であったり、誰かに向けて書き込むでしょう。その文の後の「タグ」が非常に重要なのです。タグを記載することで、写真の情報量が非常に増えます。さらにタグをクリックすることで同じコンテンツを見つけることが可能となる為、様々な人に閲覧してもらいやすいです。自分の中だけで解決していた写真を他人に見てもらうことで、写真の価値は何倍にも増幅するのです。
 次に、撮影テクニック[※1]を身につけ写真に自分の世界観を与えることについてですが、写真の表現方法は非常に豊富で写真のディティールを増加させてくれます。テクニックは簡単なものから難しいものまで様々ありますが、その分自分自身が撮影したかった表現ができる可能性もあるということです。スマートフォン1つでできる撮影テクニックも少なく、知れば知るほど面白い世界なのです。様々なテクニックを身につけ、カメラが手足のように自在に扱えた時が、あなたの「カメラにハマる瞬間」だと思います。それが出来るようになったら撮影する写真はどんな写真でもとても価値のあるものになると私は考えます。

※1 撮影テクニック
写真には様々な、表現方法がある。構図であったり、要素を工夫することで写真はいくつもの世界観を写してくれる。

玉ボケ
点光源を利用した撮影表現。イルミネーションの撮影などの時に利用される。

2分割構図
垂直もしくは水平ラインを画面1:1で分割する構図パターン。対比関係を埋め込むことで、見せたいものを明確にする。

シルエット
太陽など明るい光の逆光を用いて、被写体を縁取り写す撮影技法。はっきりした被写体だと、意図が伝わりやすい写真になる。

喜美候部 絢哉

好きな授業
私が好きな授業は、「インテリアデザインC
」です。3年生の時の授業で、IllustratorとVectorworksを用いてカフェの企画書の提案をする授業です。この授業を選んだ理由は、一からお店のコンセプトから店内設計までする難しく達成感があった授業だからです。

学部を振り返って
私はこの学部がとても好きでした。同期だけでなく、先輩後輩とも親しみやすく、コミュニケーションが盛んだったからです。お互いが切磋琢磨し学部の仲間でもあり、ライバルでもある環境が良かったです。

学部で身につけた力
デザイン学部では様々な力を学び身につけきましたが、デザインの表現力と人に何かを伝えるプレゼンテーション力が一番備わったと思います。様々な先生から様々なことを教わったので、全て為になっています。