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日常に取り入れるハレの日の提案

17Z1-109 深澤 雅
新型コロナウイルスの影響で、日常が窮屈で退屈だと感じることが多くなりました。そこで私はハレの日を応用して、生活にメリハリをつけることができれば、充実した日常になるのではないかと考えました。更に、日用陶磁器の国内生産額減少の問題に着目し、この課題を少しでも軽減できるような仕組みを考え、企画し提案します。
伝統アプリ
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作家や窯元と利用者を繋ぐアプリ「ハレイユ」

 建設用、工業用以外の食器や花瓶、置物などの「日用陶磁器」の2019年の国内生産金額267億円です。数字だけで見ると多い金額のように感じますが、2003年は国内生産金額は782億円でした。16年間で半分以下の金額になってしまったのです。海外で製造された安価な食器を100円ショップや大手チェーン家具店で販売していることが大きな要因だと考えられます。喜ぶ消費者はいますが、陶磁器生産業者や器作家からすれば打撃を受けることになります。
 このことから私は日用陶磁器の国内生産額減少を軽減させるために、作家や窯元と消費者を繋げるアプリを企画提案します。ターゲットは、料理に興味を持ち始めた人と丁寧な暮らしをしたい女性。料理に興味を持ち始めた人は様々な料理を作ってみたいとチャレンジ精神があります。丁寧な暮らしをしたい女性は、すぐには実現できないが、きっかけがあれば少しづつでも日常を豊かにしていきたいと考えているのではないかと予測しました。

一般財団法人日本陶業連盟がHPで掲載している情報(http://www.toujiki.org/statistics.html)

従来の料理紹介アプリではなかった食器紹介機能

 アプリ内ではメニューとして「食器」「ごちそう」「ホーム」3つの項目があります。食器をタッチすると、「作家」「平皿」「角皿」「深皿」「鉢」「お碗」「箸置き」が上部のバーに表示されます。「作家」は器作家や陶芸家が作った食器が観て選べる機能です。作家のアイコンをタッチすると作家の自己紹介文を読むことができます。また、利用者は作品に対してコメントを打つことができるので、この機能で陶芸家と利用者はコミュニケーションを取ることができます。陶芸家は利用者がどのような器を使用したいと考えているのか理解することができ、利用者は陶磁器にはどのような形状の器があるのか、どのような陶芸家がいるのか知ることができます。「平皿」「角皿」「深皿」「鉢」「お碗」「箸置き」は形状別に分類されています。項目が少ない理由は利用者が分かりやすく観やすくそして提示するためです。

食卓を豊かに、日常にメリハリを

 「ハレイユ」では食器だけでなく、ハレのごちそうや旬の料理、行事についても紹介をしています。
 ごちそうをタッチすると「おすすめ」「ランキング」「旬」「今日の献立」「ひと手間」「じっくり」「簡単」という項目が上部のバーに表示されます。「おすすめ」は旬を使った料理や新着レシピなどのおすすめレシピが表示されている機能です。「ランキング」はレシピの閲覧された回数が多い順にランキング付けされている機能であり、「旬」は季節の旬を特集し、レシピや行事などの紹介が掲載されているコラムになっています。「今日の献立」にはその日どんな料理を作ればいいのか1食分のレシピが紹介されていて、すぐに献立を決められない人におすすめの機能です。「ひと手間」は少し時間がかかってしまうが美味しいレシピが閲覧できる機能です。「じっくり」は時間をかけてごちそう作るレシピが閲覧できる機能で、「簡単」は時間をかけずに料理ができるレシピが観覧できる機能です。料理に対しての手間のかけ方は人それぞれであるから、「ハレイユ」ではTPO に合わせて料理を作ることができます。そして、すべてのコンテンツの料理をタッチすると使用されている食器を見ることができます。興味のあった皿は保存し、作家や窯元のサイトを閲覧することが可能です。
 「ハレイユ」を活用し、作家や窯元と消費者を繋ぐことができれば、課題である日用陶磁器の国内生産金額減少は軽減できるのではないかと考えます。「ハレイユ」は食卓を豊かに、日常にメリハリをつける方法を提示するアプリです。

参考
白井明大『日本の七十二侯を楽しむ』東邦出版、2012 年
新谷尚紀『12 ヶ月のしきたり』PHP 研究所、2007 年

深澤 雅

好きな授業
たくさんありますが、私が好きな授業は、「インテリアデザインC」でした。3年前期の授業で、ベクターワークスの3Dパースの使い方を学び、物販カフェを制作。この授業は、パソコン上で空間を作り上げるということが楽しかったです。

学部を振り返って
4年間はあっという間で、様々な分野のデザインに触れ、入学する前と比べたら本当にデザインの基礎が身についていると実感しました。学部生と一緒に学んだ日々は充実し、とても楽しかったです。

学部で身につけた力
企画力、表現力を身につけることができました。社会に出たら必要であるこれらの力を身につけることができたので精一杯活躍していきたいと思います。