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献立アプリの提案

17Z1-132 渡邉 愛
何か食べたいけど何も料理が浮かばない、毎日の食事を考えるのが億劫、そんな時に役に立つアプリの企画提案です。献立を提案してくれるアプリ「献立くん」は、いくつかの質問に答えることでどんな料理がオススメか教えてくれます。
ユーザーと一緒にどんな料理がいいのか考えていけるアプリを目指しました。
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「献立くん」を企画した経緯

 卒業研究を始めるにあたり、最初はAIを活用したアプリか何かを企画したいと考えていて、AIにできることやどんな活用事例があるのかなどを調べていました。様々な本を読んで調査を進める中で、『独学プログラマーのためのAIアプリ開発がわかる本(河合大 著)』に出会い、大きく影響を受けました。その本には、書籍の引用をするときいちいち文字起こしするのは非生産的と感じた著者が「文字起こし君」というアプリを開発した経緯と方法、コードの解説などが書いてありました。その冒頭に、「役に立つアプリをゼロから作るためには、身の周りの解決したい課題を見つけることから始めます。」とあり、私も「文字起こし君」のような些細なことだけど面倒なことを解決できるものを作りたいと思ったことが契機となりました。
 何か身近な問題や、あったら便利そうなものはないだろうかと考えていると、時々SNSなどで「アキネイター」というWEBサイト[※脚注]の料理版があれば便利なのにという声を聞くことがあることに思い当たり、誰か作っていないのかと思って調べてみても、実際に使ってみたいと思えるものはなかったため、私ならこんなものが欲しいと思えるものを企画しようと決めました。
 しかし、今回想定している「献立くん」を使う場面は、何か料理を作りたいけど何を作るか思いつかない時です。「アキネイター」はゲームを始める前にユーザーが特定の答えを決めるが、「献立くん」を使うときはユーザー側に明確な答えはないので、システムは参考にしましたが、アプローチの仕方は少々異なります。

アキネイターとは、画像の魔人の質問に答えていくことで思い浮かべている人物を当てるゲームである。

コンセプト

 「献立くん」のターゲットにしているのは、料理初心者〜中級者くらいの人で、それなりの頻度で料理を作る人です。私自身がその立場にいるので、自分だったらどんなものが欲しいかと考えることで、自分と近しい立場の人にとっても実用的なアプリになることを期待してターゲットを設定しました。
 私の場合料理を作るとき最初に決めるのが主食なので、「献立くん」が最初にする質問は「主食は米、パン、麺、その他のうちどれか?」です。そこから肉料理か魚料理か、和食か洋食かなど様々な質問に分岐していって今ユーザーが何を食べたいのか、どんな料理が適した状況なのかを推測して提案する仕様です。
 実際に「献立くん」が提案した料理を作るかどうか決めるのはユーザーなので、このアプリケーションの役割は、あくまで献立を考えるときの手助けです。おそらく「献立くん」の質問に答えていくうちに、「あの料理がいいな」と思い浮かぶこともあるだろうし、最後まで答えても「なんかこれの気分じゃないんだよな」となることもあると思われます。最終的に行動を決定するのはあくまで人間なので、「献立くん」が提案する料理は一つに絞らず、質問の答えに該当する料理を複数提案することで、よりユーザーの状況に合った料理を選びやすくできます。

ドゥ・ハウス社のアンケートによると、献立を考える際のアイデアを求めてレシピサイトを利用する人が多いと分かり、「献立くん」の需要は高いことが予想される。

実現可能性

 アプリ「献立くん」を作るのは技術的にそこまで難しいことではないと思われます。モデルになっている「アキネイター」に使われている技術は正確には不明ですが、「アキネイター」で遊んで過去に同じ回答をした人のデータを蓄積していることは確かです。そのデータを活用して、答えの特定に役立つ質問を優先的に出すようにしたり、新しいキャラクターの情報を仕入れたりしています。ユーザーが多ければ多いほどデータが増えていき、それをビッグデータとして活用し、より正確に多くのキャラクターを答えられるようになっていく仕組みです。
 「献立くん」の場合は、前述した通り最初からユーザーの中で答えが決まっているわけではないので若干アプローチの仕方は異なりますが、参考にできる部分は多くあるでしょう。
 他にも、実験的に「アキネイター」の料理版を作ってみたという人や、卒業研究で音楽版を作ってみたという人もおり、質問に答えていくだけで何かしらの答えにたどり着けるという仕組み自体の汎用性は高いようです。それらの中に、作成方法の解説やコードなどが公開されているものがいくつかあり、知識があれば作ることは可能だと分かりました。ITの専門家の方にも話を伺ってみたところ、十分可能だろうとお墨付きをいただけました。プログラミングに関しては先述した料理版アキネイターのコードを元に作ったり、フリーで使えるコードの素材を利用したりなど、方法はいくらでもあるとのことです。ただ、十分に知識のある人がこういったアプリケーションを作ろうとしても2週間から1ヶ月程度かかるとのことなので、初心者の私では卒業までに形にするのは難しいだろうと判断しました。今の自分には作れなくても知識と技術力のある人なら作れることは分かったので、機会があれば将来また挑戦してみたいです。

渡邉 愛

好きな授業
好きな授業は「コンピュータ表現基礎演習」です。アドビのソフトはこの授業で初めて触れたので、パソコンで絵を描いたり画像を加工するのが新鮮で、面白かったです。今までできなかったことができるようになっていく感覚が一番多く感じられた授業でした。

学部を振り返って
毎週のように何かしら課題の締め切りがあって、ずっと課題に追われている大学生活だったなと思います。忙しくて大変な思いをすることも多かったし、もう投げ出したいと思うこともありましたが、デザイン学部に入ったことを後悔したことはないです。

学部で身につけた力
デザイン学部で学んで一番成長したと感じる部分は調査力です。レポートを書く時や企画をするときなど、何をするにしても調査は欠かせないことでした。情報を得る手段が増えただけでなく、一つの物事に対して様々な視点から調べるようになりました。