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小売企業プロモーションマニュアルの提案

業界調査から分かったプロモーションのカタチ
17Z1-046 川出 力也
本研究は、小売業界で成果を出している企業のプロモーション手法を調査し、各業界ごとに分析した。その結果から、規則性を見出していった。その上で私は、起業の指標として活用できる企業マニュアルを制作し提案する。
コミュニケーションブランディング社会
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プロモーションの成功事例が起業の指標となる理由

 初めに、実際に起業を検討するならば、業界や類似の業界について様々な調査を行うであろう。特にプロモーションは収入を得るための根幹を担っている。では、プロモーションと聞いて何を思い浮かべるだろうか。一般的にはネットにおけるバナーや街頭で見られる看板を思い浮かべる人が多いであろう。しかしながら、それはプロモーションの半分にも満たない。売り込むための広報活動全てがプロモーションに入るのである。従って、起業において無視できない要素となっているのだ。
 ビジネスには業界ならではの成功するための秘訣がある。実は、顧客に対するプロモーションの仕方が成功を左右している。ゆえに、プロモーションを分析することがそのまま成功に直結すると言っても過言ではない。
 今回の提案にあたり、上記のように各業界共通の独自の分析項目を設定した。項目にあてはめマニュアルにすることで業界ならではの特徴が分かるだけでなく、成功の秘訣となるプロモーションの手法が分かるようになっている。
 なお、実際の最大手企業とベンチャー企業を比較し、プロモーションにかけている金額による手法の違い、及び、なぜこの販売方法であるのかまで紹介している。

ビジネスを成功に導くプロモーションとは

 業界ごとにプロモーションの仕方には違いがあり、それは大きく分けて以下の3つに分類できる。
・商材価値をプロモーションするグループ
既存の商材が多く「~が優れています」というプロモーションを使う企業が多い。
・ソリューションを顧客に提供するグループ
唯一性を示す事自体に購入する価値があるように設計されているため、サービスを知ってもらうプロモーションをすることが多くなる。
・業界を開拓するグループ
業界を開拓する商材になればなる程に、自社の技術力・コストが必要となる。
 このグループの違いによって「顧客のニーズ、どこにお金を使うべきか、サービスを売り込む方法」が変化するのだ。
 この3つの枠組みが理解できると自身の業界だけではなく他業界の成功事例を活用できる。そして高い目線でのプロモーションの手段が理解でき、顧客が手に取るまでの流れをイメージできるようになる。そして、売れるイメージが完成するので結果としてビジネスを成功に導くことが出来るのだ。本研究は、この点に注目し業界別に3グループに分類したマニュアルとして提案する。

企業マニュアルの目次

実際の事例として(ファッション業界)

 ファッション業界は、大きくアパレル・トレンドファッションに分けられる。しかし両分類共に商材価値をプロモーションするグループだ。
■業界共通の特徴
 ファッションは顧客の美的センスによって好み・価値付けが変化する。そのため、ユーザー目線でのプロモーションをどのターゲットに対しても提供している。そして、店鋪拡充と並行して目的のターゲットを広げている。トレンドに近いものほど高額になり、消費者の購入に至るための大きな壁となって立ちはばかるため、販売員が“自社の持つ特徴“を深く理解していないと販売すらままならない。
■ベンチャー・最大手企業の特徴
 ベンチャー企業は、手に取るまでの流れ作り、ストーリーを明確にし手に取りやすくするための仕組み作りに全力を注いでいる。今ある技術・商材の魅力を活用して潜在層を出来る限り掘り起こすことにコストをかけている。
 対して、最大手企業は商材の扱いに違いがあることがわかった。アパレルは知名度を上げデザイナーとのコラボなどで広く「よりよくて、やすい」という印象の操作をしているが、トレンドを追いかけるファッションでは1商材ごとのビジュアルを魅せる仕組みを作る努力を惜しんでいない。それぞれの特徴を一言にするならば、商材に対してマッチさせる仕組み・魅せる仕組みと言えるであろう。
 このように各業界を分析し、どのように販売を展開して行けば良いのかをマニュアルとして詳しく述べている。事例なども各業界に載っているのでイメージもしやすい物となっている。是非、この分析を用いたマニュアルを手にとって貰いたい。

マニュアルのメイン情報となる業界ページ。
業界のプロモーションの手順が見開きのみで分かるようになっている。

アパレルは既製服の販売を指す。小物(指輪や時計など)が含まれない点に注意が必要である。トレンドファッションは流行となっている身につけるものの販売を指す。衣服に限らず流行のものを取り扱う。

川出 力也

好きな授業
企画表現演習5・チームの中で連絡を取り合い1つの大きなプロジェクトとして提案する事を学んだ授業でした。右往曲折あり迷走もしましたが無事プレゼンも成功し、達成感がありました。

学部を振り返って
入学当初と比べて、朧げであったデザイン・表現を扱った仕事に対する考え方が鮮明になったように感じます。
口でしか表現出来なかった物事が様々な手法を用いて表現できるようになり、仕事だけでなく様々な場面で活かせる「企画力」が定着しました。

学部で身につけた力
デザインソフトを取り扱い様々な事象を見える化するスキル、企画調査の考え方、進め方が実習や講義によって身につきました。
また、様々な価値観を持つ人と話せたのでコミュニケーションの能力が向上しました。