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心と体

歌詞の情景を探る

ー桑田佳祐の表現特性ー
17Z1-078 鈴木 裕登
この研究テーマに至った理由は、幼少期から桑田佳祐の楽曲は数多く聞き、ファンであることだ。彼が描く歌詞に常に魅力を感じ、彼の表現には人々を魅了する何らかの特徴や仕掛けがあるのではないかと考えるようになった。そこで彼の描く歌詞の表現特性について歌詞の歴史、技法、構造の分析などを通じて明らかにしていく。
ポップカルチャーコミュニケーション心理
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桑田佳祐の歌詞に隠されたメタファー表現

 私が共感した歌詞は「恋愛」をテーマとしたものが多く、対象を「恋愛がモチーフとなっている曲の多い桑田のソロ曲」に絞ることとした。
 桑田はソロ活動を開始した1987年から現在に至るまで、多くの楽曲制作を行なっている。どの楽曲が人気なのかを桑田自らが作詞作曲し、シングル・アルバムに収録されている中から上位20曲で調査した。人気度を比較する方法は、年代によってCDやスマートフォンでのダウンロードなど購入方法が大きく異なってしまうことを踏まえ、人気でありカラオケで歌われている楽曲を選択することとした。
 次に、選択した20曲の歌詞について詳しく分析を行った。その中で「メタファー」という表現手法を効果的に利用している事がわかった。まずメタファーとはどのようなものかを具体例で紹介する。例えば「私たちの人生には、何が起きるかわからない」といった事を伝える際に、「人生はドラマだ」のような言葉で置き換えて、より効果的に伝えることを言う。メタファーを使用すると、強い印象や言葉に深みを与えたりすることが可能なため、「感情移入」を促すことができる。
 桑田の代表曲である「明日晴れるかな」では、感情が高まったときに流した涙を「熱い涙」と表現していた。その他にも数多くの恋愛に関するメタファー表現を見つけることができた。
 そこで私は桑田の歌詞から抜き出すことのできたメタファー表現と恋愛のワードを利用し、人の気持ちを喚起することのできる辞典「心に響くメタファー恋愛辞典〜桑田佳祐編〜」を作成することに決めた。

メタファー
隠喩(いんゆ)暗喩(あんゆ)ともいい、伝統的には修辞技法のひとつとされ、比喩の一種でありながら、比喩であることを明示する形式ではないものを指す。物事のある側面を より具体的なイメージを喚起する言葉で置き換え簡潔に表現する機能をもつ。わざわざ比喩であることを示す語や形式を用いている直喩よりも洗練されたものと見なされている。
※https://ja.wikipedia.org/wiki/メタファー

心に響くメタファー恋愛辞典ー桑田佳祐編ー

 心に響くメタファー恋愛辞典は、誰かに対して伝えたい恋愛的感情を、より効果的に伝えられるメッセージにすることができる。
 全体のページ数は32ページとなっており、理解しやすいよう、簡単な内容で構成されている。
 恋愛の代表的な場面も「巡り会い・出会い」、「デート」、「失恋・別れ」の3つのパターンに分け、それぞれにあった文章を作成することが可能となっている。
上記写真ではメタファーの使い方について例文を使用し、紹介している。

目次
1はじめに
2本辞典について
3フェーズ別恋愛ワード
4まとめ

実際に作成したメタファー恋愛辞典。コンパクトな作りになっており、持ち運びが楽なサイズとなっている。

フェーズ別恋愛ワードでは、それぞれの場面にあった恋愛ワードとメタファー表現を掲載している。
「巡り会い・出会い」

まとめ

 卒業研究を通じこの「心に響くメタファー恋愛辞典」を制作することになった。私は昔から桑田佳祐が好きだったこともあり、このような研究ができてよかったと考えている。限られた時間での作業であったため、研究に必要な曲も20曲と絞られてしまったが、その中でも多くの学びがあった。メタファーという存在を知ったのもこの研究であった。
 メタファー恋愛辞典は、恋愛をモチーフとしたプレゼンや企画など、多くに場面で活かしていけると思う。今回は「恋愛」がテーマであったが、恋愛だけでなく他のことにも活かしていけるように、他の視点で第二弾、三弾と制作を続けていきたい。また桑田佳祐だけでなく、他のアーティストの研究も行うことができたら良いなと考えている。
 最後に、このメタファー恋愛辞典は多くの人々の手助けになる辞典になってくれたら嬉しいので、是非様々な人たちに読んでもらい、活用していただきたい。

鈴木 裕登

好きな授業
私が好きな授業は、「インテリアデザインA」です。ディスプレイデザインの演習を行います。特定のクライアントを想定し、アイデアシートや図面・模型の作成を行いました。インテリアに興味のあった自分にとってとても面白い授業でした。

学部を振り返って
デザイン学部では多くの知識を身につけられたと考えています。また、「デザインとは何なのか」という事を企画表現演習や他の講義を通して知ることができ、自らの糧になったと考えています。戸惑うことも多々ありましたが頑張りました。

学部で身につけた力
デザイン学部では、講義や専門分野を学んでいくことで、思考力やデザイン的知識、技術力などを身につけることができました。企画表現演習では、「人に上手く伝える」ためのスキルを学べたと考えています。