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理想のファミリーキッチン

17Z1-005 池田 一正
世界では、毎日多くの人が「料理」というものを、自宅またはそれ以外の場所で行って いる。その料理を行う一般的な場所がキッチンである。キッチンは時代とともに変化を遂げて、今現在の形となり受け継がれてき た。ここでは、家族でコミュニケーションがしっかりとれる「理想のファミリーキッチン」という形で研究を進めることにした。
家族コミュニケーション
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料理をする場、キッチン

 世界では、毎日多くの人が「料理」というものを、自宅またはそれ以外の場所で行っている。生きる上で必要不可欠な行動ではないものの、人間たるもの人生において一回は経験するであろう行動だ。その料理を行う一般的な場所がキッチンである。キッチンの形や色、大きさは計り知れない程バラエティに富んでいる。キッチンは大きく2つに分けることができる。対面式か対面式ではないかである。対面式はキッチンから部屋の様子がよく見えるというメリットがあり、対面式でない方は、作業に集中できるといったメリットがある。 どちらも国内外で多く作られ、様々なキッチンが販売されている。
 今現在、女性で料理をする方はもちろん多いが、男性や子供も料理をする人が増えてきている現状である。料理ができると言うことは、それだけでアドバンテージなのである。その料理において必須と言えるのが、「キッチン」である。このキッチンをどれだけ優れたものにできるかが、料理をする人を増やせるかにつながってくると考えた。
 小さい頃から親と一緒に料理をすることによって、コミュニケーションや視覚的に得られる情報により、料理が知らぬ間に出来るようになる。コミュニケーションが増えると言うことは、単純に 家庭内の会話が増えると言うことである。私の周りにはあまり見かけないが、親と子が仲 悪い家族も多く存在する。このような家族が、コミュニケーションのうまく取れるファミ リーキッチンを使うことで良い関係性を築くことができる家庭もあるのではないか。このようなことは、将来の生活をとても豊かなものにしてくれると私は考える。
 よってここでは、家族でコミュニケーションがしっかりと取れ、子供が将来料理をしたくなるであろう「理想のファミリーキッチン」という形で研究を進めることにした。

対面式キッチンの例

非対面式キッチンの例

キッチン周りの機能

 対面式をもとに作っていく。
 はじめに収納について。日本人の和食離れは進み、外食やファーストフード、コンビニや宅配が充実してきているのが現状である。その中で、イタリアンや中華などの料理は作れても和食は作れないという人が増加傾向にある。ここから分かることは、日本の家庭は多種多様な和・ 洋・中などの料理を作る可能性が高いということだ。よって、多種多様な料理に対応できるような調理器具などをしまうことができる、充実した収納が必要であると考える。
 次に通路について。私のバイト先のレストランでは、プロ用の大きな厨房を使用していた。多い時では7~8人が動き回りながら仕事をする場となる。ここで重要となってくるのが、厨房設備のレイアウト及び通路の幅である。2人が背中合わせで作業しても大丈夫な幅がある場合、近い距離でコミュニケーションをとりながら作業できる。1人が作業すると、通路のほとんど を塞いでしまうのは、厨房において好ましくない。なぜなら厨房内では一人ひとりに違っ た役割があり、多く移動するからである。その為、レストランではある程度の幅が設けられている。逆に家庭用になると、2人が動き回るのに十分なスペースを確保したキッチンをあまり見てこなかった。自分の子供や夫、妻に料理を手伝ってもらうためには、2人以 上が料理をしていても、身動きがとりやすいような設備のレイアウトと通路の幅が必要に なってくる。
 このような考察から、料理をする場所の幅が狭いことにより、1人で料理をせざるを得えないことやのびのびと料理ができないこと、子供とに手伝ってもらえないことなどがある。よって、料理をする時に、コミュニケーションをとりながら家族に手伝ってもらうには、人が 2人以上身動きの取れる、十分なスペースが必要であると考える。

同居している家族とのコミュニケーションは取れているか

家族はキッチン作業をどれくらい手伝ってくれるか

キッチンの完成形の概要

 一般的に4人暮らしの家族の平均的なLDK(リビングダイニングキッチン)の目安の広さは16畳で、快適に暮らすには20畳以上と言われている。平均的な家庭でも理想に届くようにしたいので、20畳以内でLDKを考えることにした。
 対面壁付式コの字キッチンを採用した。このキッチンは、キッチン兼ダイニングテーブルとして使用することとなる。台の下側の部分を子供用に数センチ下げている。これによる効果として、背の 低い小さな子供でも無理のない高さで利用することができ、用途が様々である。普段はご 飯を食べる所として主に利用。さらに、親の料理を手伝う時の子供用の作業台。買い物終 わりの重たい荷物を一旦置いておく事もできる。このように、一部が一段下がっているだ けで多くのことができる。
 コの字の内側の歩き回るスペースについて。この部分は他の場所よりも一段下げてい る。理由としては、他の場所と一緒の高さにしてしまうと、立って料理をするときに、調 理台が低すぎてやりづらいからである。一般的にご飯を食べる机で料理をすると腰を曲げ ないとやりずらかったり、しゃがまないといけなくなったりする。この問題点を解消する ために、調理場を料理のしやすい高さまで下げているのだ。また、両方のシンクを使うと きに背中合わせになる場合が想定されるが、幅を 1000 ミリとることで、2 人が同時進行を しても邪魔にならない広さを確保している。冷蔵庫へのアクセスもしやすいので、食材を 取り出してから料理に移るまでスムーズな動きが可能である。このように広々としたスペ ースを確保することによって、誰かに手伝ってもらいやすくなると同時に、料理中に窮屈 さを感じることはない。
 他にも、2シンクやL字型の大型収納棚、向かい合って座ることができる椅子などを採用している。

コの字キッチンの採用
コの字内側の作業場と子ども用テーブル部分は一段下げている。(赤色表示部分)

池田 一正

好きな授業
好きな授業はクラフトデザインAなどの製作系の授業です。クラフトデザインAでは匙を2つ作りました。手を動かしてものを作ることが好きなので、充実した時間を過ごすことができました。

学部を振り返って
ものをデザインして作ってみたい気持ちでデザイン学部を選びましたが、テレビ番組の制作やシルバーアクセサリーの製作、サイトを作ったりと様々なことが経験できました。多くの経験ができて良かったと思っています。

学部で身につけた力
学部で身についた力は、企画力や発想力です。また、そのアイデアや情報を形にし、発信・伝える能力が養われました。多くのプレゼンや文章作成を通して、誰に対しても怯まずに会話ができるようになったと思います。