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暮らし

和紙とデザインの可能性

17Z1-074 清水 千咲
本研究の目的は、日本の伝統的な和紙とデザインを結びつけ、インテリア雑貨を提案し、和紙の良さを幅広い年代の方に知ってもらうことである。
現代の若者にあまり興味を持たれていない和紙に興味を持ってもらうことで、日本の伝統文化の一部を未来に残していくことに貢献できると考える。
伝統作る雑貨
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日本の伝統文化「和紙」

 和紙は、大事なことを書いて記録したり、ものを包んだり、いろいろな ものを作ったりと、我々の暮らしに役立ってきた。今は再生紙や古紙として、ハガキや便箋などに再生されている。
 和紙とは、私たちの暮らしの中で和紙とはとても大切なもので、たくさんのものに 使用され、現在もなお、活躍している日本の伝統文化の一つである。
 今回調査を行うにあたって10代〜90代の方計、179名にアンケートをとった。内容としては、和紙のイメージ・和紙についてどのくらい知識があるのか・和紙を使用したことがあるかの3項目。
 結果として、和紙に対するイメージは、高齢者の方がナチュラルやクラシックなど、自然で奥ゆかしく古典的なイメージを持っているのに比べ、若者は、華麗で大胆というイメージを持っている方もいるということがわかった。和紙についての知識は、若者は和紙についてあまり知識はなく、興味も少ないことがわかり、それに比べ高齢者は、和紙について詳しく、興味を持っているということがわかった。和紙を使用したことがあるかについては、高齢者のほとんどが使用したことがあり、若者のほとんどが、使用したことがないということがわかった。
 これらのことを踏まえ、インテリア雑貨を提案し、和紙の良さを広め、未来に残していきたいと考える。

楮(コウゾ):毎年収穫できる
三椏(ミツマタ):繊維が短くて柔らかい
雁皮(ガンピ):栽培が難しい

アンケート用紙とそれぞれのアンケト結果のグラフ

提案するインテリア雑貨「和紙でつくるお花のキット」

 私が今回提案するインテリア雑貨は、和紙で作るお花のキットだ。
キットの内容としては、子供からお年寄りの幅広い人々が、付属の和紙を使って、花を作り、花瓶にいけたり、個々で様々な飾り方をして観賞用として楽しむインテリア雑貨である。
 ターゲットである高齢者の祖母と若者の弟に協力してもらい、教えながらやる方法と説明書をみてやる方法の二つを体験してもらった。

冬「ツバキ」:キット
セット内容:カット和紙、竹串、ワイヤー、のり

作り方説明書

手順写真

卒業制作物がもたらす効果

 この卒業研究を行うにあたって、和紙について学ぶ機会や触れる機会がたくさんあった。研究を始める前は和紙なんてどれも一緒だろう、作られている産地が沢山あるから種類が沢山あるだけであって、実際は触り心地も同じ和紙が多いだろうと思っていた。しかし実際は、同じものなど1つもなく、かつ、同じ種類のものでも少し違った質感だったり、触り心地だった。このとき、和紙ってすごく奥が深い日本伝統なのだなと感じた。
 また、卒業制作物の体験を祖母と弟にしてもらっているとき、普段そんなに会話をしない二人が、お互いに試行錯誤しながら作っている姿や、祖母に教えながら作っている弟の姿を見て、今回の卒業制作物は、一緒に作っているお互いの距離を縮めさせる効果と、間を和ませる効果があるのだと実感した。
 これらの効果から、幅広い年代の方々が一緒に作ることで、コミュニケーションもうまれ、かつ、楽しみながら和紙という日本の伝統文化を未来に残していくことができると考える。

祖母と弟のイラスト:筆者作成

清水 千咲

好きな授業
「デザインキャリア特別講義」という授業です。この授業は、社会で活躍する様々な講師の方がゲストスピーカーとして仕事内容を講義する授業で、社会における可能性や、将来につなげる学びを実感することができました。

学部を振り返って
課題に追われる毎日でしたが、友達や先生方に恵まれ、ここまでやってこれました。振り返ってみると、明星大学デザイン学部に入学してよかったなと思います。ただ、32号館の場所が、もう少し大学の入り口に近ければよかったなと思います。

学部で身につけた力
コミュニケーション力とプレゼンテーション力が身につきました。人前で話すことに抵抗があり、息を吸うタイミングがわからなくなるほど苦手だったとは思えないくらい、成長できた部分だと思います。今は、人と話すことや何かを提案することが大好きです。