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教育

ネット・ゲーム依存症対策

ネットゲーム依存症に関する情報と依存症対策のパンフレットの提案
17Z1-128 山田 綾乃
2019年、香川県が子どものネット・ゲーム依存症になるのを防ぐ条例が制定されたが、口約束のようなものを作って何か意味はあるのかと思いました。そこで本研究は、依存症の発症が低年齢化しないよう、保護者向けに、ネット・ゲーム依存症の危険性などを啓蒙するパンフレットの企画提案をテーマとしました。
心理ゲーム社会
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ネット・ゲームの恐怖

インターネットやスマートフォンの普及の影響もあり、2020 年12月の時点で、ネット・ゲーム依存症のおそれのある中高生は93万人にのぼります。子ども達の周りには、常にスマートフォン等の機器があり、学校の授業スタイルもデジタル化が進み、情報社会で欠かせないものとなっています。一方で、「ネット上のいじめ」や「スマホ斜視」など危険な面もあります。このような背景を踏まえると、ネット・ゲーム依存症にならないためには、まず子どもがスマートフォン等を「賢く使う力」と「正しく使える力」を身につける必要があるといえます。
しかし、現状では、先の香川県ネット・ゲーム依存症対策条例のように、ゲームを止めさせるような取り決めを行うだけで、実効性が低い対策や強制感だけを感じるような取り組みに留まっています。
一方で最近のネット・ゲームでは、引きこもりの子どもや不登校の子どもであっても、誰でもネット・ゲームに関する共通の話題を通じて多くの仲間と繋がることができます。それらについて以下のような特徴が見られます。
1.ネットを介した出会い
2.ネット上でのコミュニケーション経験
3.ネットを介したチーム活動の経験
4.ゲームを媒介にした友達とのコミュニケーション
5.共同作業による達成感の獲得
6.MORPG※1とMMORPG※2が主流
このように、これまでの家庭用ゲームを超えた魅力があり、ゲームを通じて依存度が高めていき、より深くのめり込んでいく傾向があります。
ネット・ゲーム依存症の症状として、さまざまなものが挙げられるが中でも最も個人に強い影響を与えるギャンブル依存症※3、解離性障害※4、クレランボー症候群※5に似ているといわれています。

※1 MORPG=Multi player Online Role Playing Game
→複数プレイヤー参加型オンラインRPG
※2 MMORPG=Massively Multiplayer Online Role-Playing Game
→大規模多人数同時参加型オンラインRPG

※3 ギャンブル依存症
行為・過程アディクション(嗜癖障害)の一種で、ギャンブルの行為や過程に心を奪われ、「やめたくても、やめられない」状態。
※4 解離性障害
意識や記憶などに関する感覚をまとめる能力が一時的に失われた状態。
※5 クレランボー症候群
妄想性障害(エロトマニア)のひとつであり、自分が相手に愛されているものだと妄想的確信を抱いている状態。

ネット・ゲーム依存症の理解促進を目的としたパンフレット

時代と共にネット・ゲームがより手軽に遊べるようになったことで、誰でもネット・ゲーム依存症になる可能性を秘めています。その事例として、親が子どもに安易にYoutubeやスマホアプリ等を与え、インターネットに慣れるきっかけを作り出し早くからネットゲームに関わる機会を与えてしまっていることがあります。
このような事を踏まえると、子どもを持つ保護者に対して、ネットゲーム依存症になる前に、ネット・ゲーム依存症の恐ろしさや、適切な付き合い方を伝える事が必要性であり有効です。
そこで、依存症を発症の低年齢化を防ぐためにも、早いタイミングで、教育の場で配布されることを前提とした、保護者向けのネット・ゲーム依存症の危険性などを啓蒙するパンフレットを使って広めようと考えました。
このパンフレットは、主にネットゲーム依存症になる前の予防と、子供たちの依存状況を把握するための仕組みを生活の中で作り上げることを狙っています。
親子で制限をかけることによって、のめり込んでいる度合いを観察や注意、チェックできるようなしくみを作ることができます。
上の画像は、特に重要となる予防をするための仕組みをどのように作るのか解説したパンフレットの一部です。

目次
1ネット・ゲーム依存症を知る
  ネット・ゲーム依存症とは?ーーーP08
  主な症状ーーーーーーーーーーーーP09
  子どもの欲求ーーーーーーーーーーP10
  子供からの視点ーーーーーーーーーP11
2ネット・ゲーム依存症を対策する
  ネット・ゲームが広がりそうな背景P14
  ゲームの特徴ーーーーーーーーーーP15
  状況を把握するしくみ作りーーーーP16
  しくみの作り方ーーーーーーーーーP17
  ネット・ゲーム依存症になったらーP18
  自分や家族だけで悩まないーーーーP19

ネット・ゲームが広がりそうな背景
P14〜P15

ネット・ゲーム依存症になったら…
P18〜P19

さいごに

私が小学生の頃に比べ、ネット・ゲームは進化しているので、ネット・ゲーム依存症もアルコール依存症と同じくらいに、誰でもなりやすい症状になっています。そのため、昔ながらの『ゲームは1日1時間』のようなやり方は、効かないどころか親子との関係が悪化するので、子どもとの壁を作らないためにも、ネット・ゲームとの付き合い方や依存症に関する知識が重要だと感じました。
今回は、未成年以下の年齢層の子どもがいる保護者向けに制作したが、子どもだけではなく、当時アーケードゲームが主流だった世代やオンラインゲームが流行した世代が高齢化し、高齢者でもネット・ゲーム依存症になることもありうるので、幅広い世代に伝えたいです。

山田 綾乃

好きな授業
絵を描く授業
元々絵を描くのが好きだったというのもあり、特にデッサンやグラフィックデザインBは一番気合い入れていました。

学部を振り返って
他の学生からの刺激
周りの人の作品の刺激を受け、更に向上しようと思いました。この先の私の人生でおおいに役に立つと思います。

学部で身につけた力
Adobeのソフト関連
高校の頃に遊びでやったことがある程度でしたが、授業を通じて使い機会が多かったので更に力が身につきました。