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ファッションにおける白の可能性

ー白シャツの探求ー
17Z1-126 山﨑 莉歩
ファッションにおける様々な悩みを解決する新しいデザインの白シャツを提案する。ファッションにおいての白色の効果、シャツについての研究をしたことで、それらを組み合わせた白シャツの可能性が見えた。アンケートを通して分かった様々なファッションの悩みの原因を探り、それらを白シャツで解決する。
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ファッションにおける白色とシャツの魅力

 ファッションにおける白色は、どんな色よりも万能である。白色を取り入れている人の多くは意思が強くブレない精神を持っていて、命令に従いやすくなり、積極的な気分になる。見る人には清潔感・気品・格式性を感じさせる。また、白色の服は形やデザインに関係なくどんな色の服とも相性が良く馴染みやすい。白色の服で代表的なものの中にウエディングドレスがあるが、ウエディングドレスが白色である理由は、相手の色に染まるといった意味が込められているからだ。このように、白色を取り入れたファッションをするだけで、内面や外見にも影響を与え、多くはポジティブなイメージを持つことができ、さらに白に合う色の組み合わせは無限大なのである。
 シャツは、非常に優れた1着であると言える。なぜなら、場所や時間、年齢を選ばず、長年着用され続けているからだ。制服やビジネスシーン、冠婚葬祭、ファッションなどの多くの場面で活用されていて、魅力に溢れた1着である。また、シャツを着ている人にマイナスなイメージを持つことは少なく、清潔、爽やか、仕事ができる、かっこいいといったプラスのイメージを相手に持たせることができる。さらに、シャツは色や素材、形によっても相手に持たせる印象は変わる。シャツは似合わない人がいない最高の1着である。
 シャツは元々男性用肌着として作られ、歴史も古い。女性が身につけるブラウスはシャツよりももっと昔に誕生したと言われている。現在では、シャツにも変わった柄や形、デザインなどの種類が増えたため女性でも身に付けるものとなった。
 このようにファッションにおいて万能な白色と、優れたシャツを組み合わせた白シャツは、どちらの魅力も持ち合わせたものになる。また白シャツもレフ板効果により顔が明るく見えたり、生地の厚さで自由自在に異性に与えるセクシー度を調整することができるといった様々な効果を期待できる。

よく着るシャツの色、柄についてのアンケートを20代から50代の男女100人に実施した結果である。圧倒的に白シャツが多く着用されていることがわかる。

ファッションの悩みと体型別のルール

 この提案に至ったのも、私自身がファッションにおいて悩みがあることからだった。ファッションにおける悩み[※1]は、身長や体型などから起こることが多く、すぐにはどうすることもできない。私自身の悩みは、身長が高いことで服を着ると丈が足らず、大きいサイズの服を選んで買う必要があることだ。しかしそれだとサイズが合わなくなり、ぶかぶかで本来の服の形を崩してしまう。こういったように今までは我慢してファッションを楽しんでいた。だが、私のような身長が高い人だけ悩みがある訳でなく、身長が低い人、体型によってもそれぞれの悩みを持っているのではないかと考えるようになり研究を進めた。
 サイズが起こす問題は日本人の体型にあった。サイズは平均で作られるため、海外と比べると細めな日本人はサイズが小さく合わない人が出てきてしまう。海外ブランドの服の方がサイズ展開が豊富で、よく利用する人も多いだろう。
 体型別でのルールは、高身⻑の方は身⻑が高い分、骨がしっかりしているので肩幅や腰の張りなどが目立ってしまう。また足は⻑いが膝下と膝上のバランスが悪い。トップスにボリュームのある物を持ってくると腰の張りが抑えられすっきり見えたり、ワンピースなどを着用すると膝のバランスは気にならなくなるなど、アイテム選びが重要になる。低身⻑の方の悩みは、ほぼコーディネートにて解決することができると考えている。全体的に小さく見えてしまう部分の悩みが多く、その部分をどう服でカバーするかが低身⻑の方には重要なのである。例えば曲がる関節部分を隠すようしたり、ハイウエストのパンツを履いたりすると足が長く見える。体型については女性は年齢と共に体型に変化が起きることが分かった。その変化が起きた体型を「大人体型」といい、一定の法則があると言われている。気になる体型はコーディネートの法則を知れば解決することが可能だ。

ファッションの悩みについてアンケートを実施したところ、「はい」と答えたのは65%と、半分以上の人がファッションにおいて悩みがあることが分かった。

※1 ファッションの悩み
ファッションの悩みはどんなものがあるかアンケートを実施したところ、「体型にあった服が分からない」「丈の長さが合わない」「ちょうど良いサイズがない」などといった身長や体型、丈感、サイズなどの悩みが多く聞かれた。

白シャツの仕組みとデザイン

 提案する新しい白シャツのデザインは、全ての人が自分サイズに調節可能で、シャツアレンジのバリエーションが豊富にでき、カジュアルにもフォーマルにも着ることの出来るデザインとなっている。身⻑や体型によって起こる様々な悩みをこのシャツ 1 着で解決し、白色の効果で多くの魅力を発揮することができると考えている。生地には最も一般的なシャツに使われるブロードを用い、ボタンにはこちらも一般的によく利用されるポリエステルボタンを使う。生地にブロ ード素材を用いる理由としては、シワがよりづらく何度洗濯しても耐久性があることだ。そして、ボタンにポリエステルボタンを用いる理由は、安価で手に 入りやすく割れづらいメリットがあるからだ。既存のシャツでは解決できない部分をシャツの形は崩さずある部分を増やすことで悩みの解決を試みた。必ず元の形に戻ることを前提に様々なシャツアレンジができるものを製作した。
 白シャツのデザインは、ボタンを増やすといったシンプルな新しいデザインになった。前立てと言われるシャツのボタンが付いた部分に、ボタンとボタンホールを増やした。一般的なシャツは前立て部分に、ボタン列、ボタンホール列のように分かれて作られている。しかし新しいデザインは、ボタン列にはボタンホール、ボタンホール列にはボタンといったように両方に機能をつけた。さらに、袖にある剣ボロと言われる袖の切り込み部分にも、前立てと同じようにボタンとボタンホールを増やした。剣ボロは、肘と手首の間で終わり、ボタンも1つが多い。だが肘まで剣ボロを作ることで、切り込みの広がりが大きくなり、ボタンも増える。そうしたことでシャツアレンジやサイズダウンができる。
 提案する白シャツは、自分に合ったデザインとサイズに調節し、紹介した以上にアレンジが自在にできる。必ず元のデザインに戻るように考えられていて、カジュアルにもフォーマルにも着用でき、飽きさせないデザイン性を持っている。

ボタンとボタンホールを掛け違えると、このようなデザインができる。サイズダウンができ、さらにシャツのデザイン性が変わるアレンジ方法の1つになる。

袖の剣ボロ部分のボタンを留めると、外側がふわっとなるデザインが生まれる。さらに、指先まで隠れてしまう袖も、ボタンを留めたことでサイズダウンができている。

山﨑 莉歩

好きな授業
私の好きな授業は、分野科目のファッションデザインです。ファッションデザインAの授業では自分でデザインしたワンピースを製作しました。服作りの基本を知れたり、ソーイングの基礎を学べたことで、趣味でも楽しむようになりました。

学部を振り返って
デザイン学部での分野科目の授業は、6つのコースから好きなものを選べるので、興味のある分野を履修できます。私はファッションデザイン、インテリアデザインを履修しましたが、全て自分の成長へと繋がったと実感しています。

学部で身につけた力
私がデザイン学部で身につけた力は、IllustratorやPhotoshop、PremiereproなどのAdobeソフトが多数使えるようになったことと、ファッションデザインAでソーイングを学んだことでミシンを使える力が身についたことです。