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ロスフラワーに新しい価値を

17Z1-120 宮田 美紅
ロスフラワーとは、食品ロスと同様に、廃棄された花のことを言います。社会問題の一つとしてフードロスが問題視されていますが、それ以上にロスが出ているのが生花です。また、新型コロナウイルスの影響もあり、花の需要は減少し続けています。そんな廃棄されてしまう花を減らし、花の消費を増やす企画を提案します。
植物環境(問題)雑貨
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ロスフラワー問題

 ロスフラワーという言葉はご存知ですか?ロスフラワーとは、食品ロスと同様に、廃棄された花のことを言います。現在このロスフラワーが爆発的に増加しています。農林水産省のwebサイトによれば、店頭販売される生花の30~40%が廃棄されています[※1]。また、花流通業者である株式会社ジャパン・フラワー・コーポレーションの公式サイトによれば、近年では新型コロナウイルスの影響によるイベントやコンサートなどの延期や中止により、花の需要は減少し続けています[※2]。今、綺麗に咲いた多くの花たちが、行き場を失っているそうです。
 現在、消費が減少している花ですが、花を育てることには多くのメリットがあります。フラワーライフスタイリスト協会の公式サイトでは、花を生けることには、緊張を和らげ、ストレスを軽くしてくれる「心理的効果」、認知機能や記憶力を改善する「健康的効果」、社会性を向上させる「社会的効果」があると述べられています[※3]。花を育てることは、人に良い影響を与えるのです。
 しかし、花の購入をすることにはハードルがあるようで、単純にメリットを伝えるだけでは消費は増えないと考えます。私が若者86人に行ったアンケートによると、「普段花を買いますか?」という質問に「買わない」と回答した方の多くから、「買う機会がない」、「育てる、生けるのが面倒」という意見が聞かれました[※4]。花を買う機会がない方、育てたり、生けることは手間だと感じてしまったり、面倒に感じてしまったりする方が多くいるようです。
 以上のようにロスフラワーは解決しなければならない問題であり、花を生けることには多くのメリットがありますが、買う機会がない、育てる、生けるのが面倒、という理由から、花を購入することは敬遠されているのです。

※1 農林水産省
https://www.maff.go.jp

※2 株式会社ジャパン・フラワー・コーポレーション
https://www.hanamatsu.co.jp

石川県・福井県・関東・関西にも展開する富山県内トップの花き流通業者。

※3 フラワーライフスタイリスト協会
https://flsa.jp

花を通じた創造性豊かなライフスタイルを提唱し、生活文化の振興を図り、その活動支援を行なうことで、広く社会に貢献している一般社団法人。

※4 アンケート結果

CARRY VASE

 そこで、花の購入を後押しする新しいパッケージ、ロスフラワーを使ったドライフラワーを梱包する「CARRY VASE」を提案します。コンセプトは「いつでも、誰でも、手軽に花のある生活」です。透明な素材で花が覆われる取っ手がついたパッケージとなっています。

壁にかけて飾る方法
取っ手の部分の切取り線を片方だけ切り離し、持ち手だった部分をつり下げ具に掛けることで、簡単に壁などに飾ることができます。

置いて飾る方法
取っ手の部分の切取り線を両方切り離すことで花瓶のようになり、置いて飾れます。

「いつでも」「誰でも」手軽に花のある生活

 このパッケージは「いつでも」パッと手に取り、つい買いたくなるような、そして持ち歩きたくなるようなパッケージとなっています。具体的には取っ手がついているので片手で簡単に持つことができます。またパッケージで花が覆われているので、花が潰れたり折れたりしてしまう心配がありません。そのため荷物が多い時でも、手ぶらで出かけたときにも、持ち運ぶ際の様々な障害も気にせずに購入することが可能です。さらにユポ紙という素材を使用しており、紙よりずっと水に強く、破れにくく、軽いので、雨の日でも心配せずに買うことができます。半透明なので中も見ることができます。また再生紙なので環境負荷も小さいです。
 また、このパッケージには、普段花を買わない人でも「誰でも」簡単に花が飾れるような工夫もしています。パッケージには切り取り線が入っていて、取っ手が取り外せ、花瓶のような形になります。更に折り線がついており、折り線通りに折ることで花瓶の首が狭まり、少ない花でもキレイに生けられるようになっています。この工夫によって、花に合った花瓶を持っていない人や、飾り方に悩む人でも、CARRY VASEを買えば、悩む必要はありません。
 また販売する花はロスフラワーを使ったドライフラワーなので水やりの必要がなく、買ったそのままの状態で飾ることができます。
 このCARRY VASEによって「いつでも」「誰でも」手軽に花のある生活が実現できると考えます。

折り線部分を折ることで、花瓶のような形になります。

宮田 美紅

好きな授業
私が好きな授業は、プロダクトデザインCです。大変な授業ではありましたが、最終的に自分が考えたものが商品として販売されることの達成感は、とても大きかったです。1からものづくりをすることを学べたので良かったです。

学部を振り返って
デザインについて広く学ぶことができて良かったなと感じています。自分が興味がなかったことも、学んでみて興味を持つようになったり、楽しさを知ったりと、デザインの知識や技術の幅がとても広がりました。

学部で身につけた力
企画力です。4年間にわたり、企画表現演習の授業で企画することを学び、学んだことを実践していくことで、企画力を身に付けることができました。この力は、他の授業や、授業以外でも生かすことができました。これからも身につけた力を生かしていきたいです。