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ダブルダッチ専用の理想のシューズ

17Z1-114 堀部 竜生
このテーマに至った経緯は、私が大学に入学して、ダブルダッチを続けてきてパフォーマンスの雰囲気、個人のスキルや特徴に合った十分なデザイン、機能性が備わっているシューズが無いと感じてきたからである。ダブルダッチプレイヤーが100%の力を発揮でき、ベストパフォーマンスに繫がるシューズの企画提案をすることがこの研究の目的である。
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ソールデザイン

 ダブルダッチは縄跳びではなくパフォーマンスであり、ロープを跳ぶだけでは成立しないスポーツである。様々な技を駆使し、ロープと組みわせてパフォーマンスをしていく。そこで重要になってくるのがシューズの機能性である。ダブルダッチには一つのチームに様々な特技、個性を持ったプレイヤーが多くいる。このようなスポーツで同じような機能性の靴では100%のパフォーマンスを発揮することは難しい。私がダブルダッチというスポーツをしてきて感じた事や経験からこのソールのデザインを考案した。
 1つ目のソールはアクラーを視点に置いて考えたものである。アクロバットをする上で重要になる機能がクッション性である為、ミッドソールをかかとに行くにつれ厚くし、着地時の負担を軽減できるように設定した。アウトソールは、ソールを爪先まで伸ばし、踏み込む力、蹴り出す力をアップさせられるような形状にした。靴底にピボットを組み込み、360°の激しい動きにも柔軟に対応できるよう設定した。素材はゴム材にし、靴底の凹凸をなくすことで、さらなるグリップ力の向上に繋がるように設定した。
 2つ目のソールは、ステッパー、ダンサー、スピードプレイヤーを視点に置いて考えたものである。アクラーを除くと、他のプレイヤーは常にロープを跳ぶといった足元の細かな動きが重要になる。ステッパー、ダンサー、スピードプレイヤーは、クッション性よりグリップ力、接地性が重要である。グリップ力を高めるために、アクラー向けと同じく、ゴム材を使用し、靴底にはピボットを設定した。接地性は、ソール自体を薄くし、小さな凹凸を作ることで地面をより感じやすくし、細かく複雑な足元の動きに対応しやすくなるように設定した。クッション性は、ソールが薄く、アウトソールにアーチを設定していないため、土踏まず部分にミッドソールでアーチを作り、負担を軽減できるように設定した。

アクラー向けソール

ステッパー、ダンサー、スピードプレイヤー向けソール

アッパーデザイン

 ダブルダッチでは機能性の他に重要な要素がある。それはチームやそのプレイヤーの色や個性、パフォーマンスの雰囲気である。ダブルダッチをするチームすべてが同じ曲、同じ技、同じ構成でパフォーマンスをするわけでは無い。それぞれのチームが3〜4ヶ月考察、分析し、工夫したパフォーマンスを完成させてくる。そのパフォーマンスに合わせて衣装を模索していくのである。全チーム、全プレイヤーが真っ黒の衣装などの可能性は考えられず、全プレイヤーがパフォーマンスにあった衣装やメイクを施してくる。そうなれば靴のデザインも衣装として、とても重要になる。
 アッパーは、ミッドカットスニーカー、ローカットスニーカーの2種類を考えた。
 ベースとなる素材はランニングシューズなどによく使われるニット素材に設定した。ニット素材は、足全体をホールドしてくれ、ソックスのような履き心地が得られる。ニット素材を使用することで個人の足型にフィットしやすくサイズ感の問題や足に合わないなどの問題を解決でき、シューズ自体の安定性にも考慮している。程よい伸縮性から激しい動きにも十分対応できる屈曲性、素材自体が軽いため軽量性も期待できる。
 デザイン性に考慮するため、かかと部分のヒールカウンターとシューレース部分には、カラーバリエーションの多いキャンバス生地、光沢感のあるエナメル生地へ変更できる設定を考えている。ヒールカウンターとシューレース部分には他にもチームのロゴやチーム名をプリント出来る設定を加え、チームの統一感やパフォーマンスの雰囲気に合わせたデザインの変更を考えている。
 このアッパーは、軽量性・安定性・屈曲性というダブルダッチ競技に必要な機能性、カラーバリエーションなどによる衣装としてのデザイン性が備わっている。

ミッドカット

ローカット

提案の全体像

 2種類のアッパー、2種類のソールを自由に組み合わせて個人のパフォーマンスの雰囲気、役割、サイズ、足型によって選ぶことができる設定にした。
 チーム全員で同じデザイン、バラバラだが統一感のあるデザインにすることができる。またパフォーマンスの個人の役割によってデザインは変わらず、機能性だけ変えることもできる。
 カラーバリエーションは、2種類のソールが4色から、アッパーはローカット、ミッドカット共に11色から自由に選択できる。ソール、アッパー含め1色から最大6色選ぶことができる。各プレイヤー、チームがそれぞれに合った機能性デザイン性を選べる事で、パフォーマンスの雰囲気やチームの統一感、個性がより表現できるシューズとなっている。

カラーバリエーション

堀部 竜生

好きな授業
私が好きな授業は「ファッションデザイン」です。入学する前からファッションを学んでみたいと思っていたこともあり、他の授業よりも楽しさがありました。買う側ではなく、創る側の視点でファッションを学べることが魅力だと思います。

学部を振り返って
デザインを形にする事や企画をする事の難しさを学ぶことができたと考えています。入学前は、デザインについて何も分からない状態でしたが、4年間で新しい知識が身につきました。チームで動いたり慣れないこともありましたが、充実した学生生活になりました。

学部で身につけた力
自分の納得いくまでやり抜く力が身につきました。特別なスキルや経験がなくても、自分で試行錯誤し、修正を繰り返していくことでより良いものに仕上げていくことができました。