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部活動を通じた社会で必要な能力の獲得に関する研究

明星大学男子ラクロス部を対象として
17Z1-100 長妻 巧
 本研究では、ラクロス部の活動を通じた社会に必要な能力獲得に関する調査を行いました。まず、社会で必要な能力を獲得する上で必要な経験を明らかにしました。結果、成長に前向きなスタンスを持つことが重要だということがわかりました。そこで、成長マインドセットを高める企画を提案し、部の発展に貢献することを目指しました。
能力スポーツ大学(学生)
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成長マインドを持つことが社会で必要な能力の成長に繋がる

 はじめに、ラクロス部の部員が社会でも必要とされる能力をどの程度身につけているのかを明らかにするため、ラクロス部員、一般学生を対象としたアンケートを調査を行いました。その結果、社会人基礎力*1 が高い人は成長マインドセット*2 の評価も高いことが確認されました。そのため、その人の成長マインドセットを高めるきっかけさえ作れれば、それだけ人間力や社会人基礎力の成長にも繋がっていくことが分かりました。
 また、成長マインドセットが高まったきっかけについて聞いてみたところ、目的意識を持って何かに挑戦した経験を通じて変わったという人が多くみられました。そのため、成長マインドセットは、何らかのきっかけを掴み挑戦することで、高められるのではないかと考えました。
 しかし、責任感のある役割を持ち、分かりやすく挑戦する機会を得ることは限られています。そのため、成長マインドセットを持っている人の中で、リーダーやキャプテンなどの分かりやすい役職を持っていないが、成長マインドセットを持っている部員にインタビューを行いました。するとその人達は、役割として与えられた班活動を前向きに捉え活動する中で獲得していることがわかりました。このような身近で日常的な活動から挑戦する機会をつくることが大事であると分かりました。

*1 社会人基礎力
コミュニケーション能力や問題解決能力など社会で活躍し続ける上で必要な基礎的な能力

*2 成長マインドセット
「自分の能力は努力によって改善していくことができる」という考え方、成長に対して高い意欲を持つ

成長マインドセットの評価が高い人と低い人で比較した社会人基礎力の自己評価のグラフ

成長マインド獲得に向けた提案「Challenger」

 ラクロス部には4つの班活動があります。その中で、人材班のある部員は、日本一強い世代をつくるために一年生の育成に取り組んでいました。育成をする中で、ゴールから逆算して考えたり、課題を分解しながら意図を考えたりと伝え方の大切さを学んだそうです。結果、様々なことを客観的に細かく考えられる能力が身についたと言っていました。このように、班活動では、身近で日常的な活動を前向きに捉えて挑戦できる機会が多いことが確認できました。そのため、身近なところで挑戦をして成長している班活動の部員を紹介することで、日常の中で挑戦するということを醸成するようなことを目指してこの冊子を作りました。

「Challenger」
身近な活動に対して積極的に取り組み、成長マインドセットを獲得した部員に着目して、その役職についた時の心情や印象、その役職を前向きに取り組めるようになったきっかけなどについてインタビューを行い、事例を入れて冊子にまとめました。
 また、インタビューを通して結果的に目の前にある挑戦に対して目標を作っていくことが成長マインドセットの向上に繋がることもわかったので、具体的な目標をつくり行動に繋げられる内容もまとめました。

目次
5~ 人材班 土屋 隆貴
「やっててよかったな」
7~ 人材班 伊藤梢太
「どれだけチームを楽しませられるか」
9~ 広報班 鈴木亜優子
「私にしかできないこと」
11~ 運営班 菊地歩真
「自分が変えられるなら頑張りたい」
13~ 分析班 堂山琴音
「やっぱりやってるからには勝ちたい」
17~ 正しい目標設定
19~ 目標に対して必要な行動
21~ 行動計画の立て方
23~ 行動した後の振り返り

最後に

 社会で必要な能力を身につけるためには、厳しい環境での生活や責任を持った役割を得ることや目的意識を持って何かに挑戦する経験を通じて成長マインドセットを高める必要があることが分かりました。しかし、日常的な些細な取り組みや機会を前向きに捉えることは難しいため、日常の中からでも学び、優れた成長を遂げている仲間を紹介するこの冊子を見てもらい、身近な活動の中に挑戦の機会を得て前向きに取り組み、成長マインドセットを高めて、社会で必要な能力の獲得に繋げてほしいと思います。また、ラクロス部の活動を通じて様々な能力を身につけていきながら、日々努力して改善していき、試合で活躍できるようなプレイヤーやスタッフ、社会に出ても活躍し続けられる人材を目指して頑張ってください。
 そして、ラクロス部の活動を積極的に挑戦をする人が増えることで、それらを下級生にも伝えていきながら明星大学ラクロス部の成長にも繋げて行ってほしいと思います。

長妻 巧

好きな授業
私が好きな授業は、「企画表現演習2」で す。思考トレーニング課題によって、筋道立 ててものごとを考える力を鍛えるとともに、 意識的にアイディアを生み出す思考法を学び ながら課題に取り組み、クリエイティブな発 想力を鍛えることができます。

学部を振り返って
企画表現演習で、様々な思考力や提案の仕方 を学んでいくことができました。これらを大 学でやって終わりではなく、将来や日常生 活、仕事の中で活かしていけたらなと思いま す。本当にデザイン学部を選択して良かったです。

学部で身につけた力
学部の授業を通して、柔軟な発想力が身につ きました。何かの課題にぶつかったとして も、じゃあ逆転して考えたらどうなるか、あ えてこういうことしてみようなど、企画表現 演習で身につけた発想法や思考力が課題解決 や自己成長に繋げられるようになりました。