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HipHopとは何か

HipHopの歴史と文化的背景を辿る年表の制作
17Z1-093 角田 良介
現在社会的に人気なHipHopですが一方で多くの人がHipHopの歴史を知らない事実があります。私もダンスに関わる中で文化を知る事が役立ちました。その観点からHipHopに関わる人は歴史を知る必要があると思い歴史やオリジネーターについて調査を行いました。そして歴史を知ってもらう為には年表で伝える事が有効だと考え年表を作成しました。
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調査と分析

 私はHipHopの歴史と文化的背景を伝えるために、 HipHop、ターゲット、年表についての調査とそれに対する分析を行いました。まずHipHopについての調査を行いました。HipHopには1970年代から今まで続く歴史があります。HipHopとは、DJ・MC・Break dance・Graffitiという活動から構成されている文化で、これらを4大要素と呼びます。HipHop文化では創設者が崇拝されます。創設者3名を3大偉人と呼びます。三大偉人と四大要素を知るにはHipHopの歴史的な流れを知る事も必要です。
 次に今の世の中のHipHopのあり方とターゲットの調査を行いました。日本レコード協会の「2018年ジャンル別新譜数」の調査より、ダンスジャンルが他のジャンルよりも一桁多いこの結果から、ダンスミュージックという認識で多くの人気を獲得している事が分かりました。またインタビュー調査をした際の対象者の50人中(20代)、歴史を知った上でHipHop活動をしている人は1人しかいませんでした。よってターゲット層を絞り、20代を対象にしました。現在、または今後のHipHopを引っ張り発展させる、今活動している若い世代は歴史を知っておく必要があるからです。次に年表の調査です。どの様な年表にすると、ターゲットに伝わりやすいのか、武蔵野美術大学の教科書の年表を参考に、調査しました。テーマごとに色分けされ、関連事項は縦にもまとめられていて分かりやすく、さらに色分けされた帯の見方の説明も加えられているなど、分かりました。
 続いてターゲットの分析です。HipHopは人気ですが知らない人が多い現状があり、HipHopが漠然としています。歴史を知ることでターゲットの現状のHipHopへの関わりを深いものにできます。次に年表の分析です。歴史を伝えるには年表が有効です。年表には、四大要素/三大偉人を含む、歴史的情報が必要です。伝える題材が歴史であり、いくつかの項目に分けてまとめる必要があるため、時系列に沿い、一覧でまとめる事ができるので年表が有効です。この年表は歴史を知る為の入り口、きっかけとして機能します。

HipHopにおいて、重要事項を図にまとめたものです。

ダンスが他ジャンルより多いことを表したグラフです。

参考年表の気づいた工夫点の一部です。歴史の流れが色分けされています。

企画

 HipHopに関わる人たちは、歴史を知る必要があります。歴史は活動する上で切り離すことのできない大切な知識であり、HipHopにおいて歴史の歩みやオリジネーターたちの言葉は本質であるからです。そして歴史を知るのは事柄の前後の関係性が大切である為、流れで理解する事が大事です。よって、歴史の流れを感じさせる様な型式で事柄を並べ、さらにその事柄の因果関係が一目で簡単に理解できる様な年表を作成し、時代ごとの知るべき大事な歴史的事実を示していきます。
 調査したHipHopの歴史を時系列に並べ、オリジネーターのしてきた功績や言葉を元に、HipHopの元々のあり方やオリジネーターのHipHopに対する思いを年表に示していきます。それに加えて現代のHipHopシーンで活動する、若い世代も親しみの深いアーティストの活動も示します。よく知るアーティストがどの様にHipHopに携わり、どの様な活動をしてきたのかを今までのHipHopの歴史に繋げて示していきます。これにより、歴史を知らずに現在活動する人たちも、HipHopの歴史を知る為のきっかけになり、入り口を開く事ができます。
 年表全体の構成は、調査した年表を参考にいくつかの項目に分けて時系列にまとめました。具体的には、年表の横軸に1970年代から2000年代(現在)までの重要な事柄を並べていきます。HipHop文化において大切な三大偉人と四大要素を時系列順に並べて、時代ごとにリリースされた主な音楽、起きた事柄を配置していきました。縦軸には、三大偉人と四大要素との繋がりや、時代背景が分かる様に線で繋げたり、関わりの深いものには四角く囲いました。人と人(プロデューサー、ラッパー、ダンサー、グラフィティライターなど)の繋がりの有無や関係性を線で表し、人物名やイベント名などの文字だけではなくその画像も用いてイメージしやすいビジュアルにしました。またHipHopとは別に、世界史の帯を年表の一番下に設けました。HipHopは黒人の貧困社会を解決する為の一つの解決策であり、社会運動であります。よって、世界の歩んできた歴史は、HipHop活動と切ってもきれない関係である為、人間の大きな歴史を示しました。
 この年表はHipHopの歩んできた歴史と三大偉人の功績や四大要素の現代までの発展、それぞれの関わりを分かりやすく伝達する為にまとめました。歴史を知らずにHipHopに関わる人たちが歴史を知る為のツールになります。

これは作成した年表の一部です。
会社の構成や、ラッパー同士の関わりを線で繋ぎ、四大要素の音楽を時系列に並べた部分です。

これはHipHop四大要素の中のグラフィティについて並べた時系列です。下部の色のついた帯は世界史です。

検証と今後の展開

 検証した結果、企画したことは伝える事ができました。
 検証方法は、インタビュー対象にした人に、調査したHipHopの歴史を再度説明し、年表を見てもらいました。3大偉人の功績、4大要素の発展、HipHop全体の歴史の流れを簡単に伝える事ができました。
 しかし年表のレイアウトに課題が残りました。HipHopの過去から現在までのつながりが分かりにくい点です。改善を試みます。
 最後に今後についてです。三大偉人と四大要素の詳細は時系列上で理解してもらう事ができ、HipHopがどの様なものであったか伝える事ができました。
よって今後も発展するHipHopの歴史も年表に加えていこうと考えています。HipHopの歴史を残せる様にできたらいいと思います。

検証の結果、3大偉人の功績、4大要素の発展、歴史を伝える事ができました。
改善点は、HipHopの過去から現在までの繋がりが分かりにくい事です。

角田 良介

好きな授業
私が好きな授業は製図・図学です。
元々苦手な科目でとても苦戦し、辛かった思い出がありますが、友人と2人で協力して何とか単位を取得した思い出深い授業です。製図や図面を引くのは未だに苦手ですが、とても好きな授業です。

学部を振り返って
この学部は、苦手なパソコンに人生で最も向き合う事になった環境でした。入学当時はパソコンの電源の入れ方も分からず、時間割を作った際には既に虫の息でしたが、この学部で課題をこなし、今ではイラストレーターなどはそこそこ使える様になりました。

学部で身につけた力
イラストレーターやフォトショップの基本的な操作、製図の引き方やデッサンの描き方、ショーウィンドウディスプレイやワンピースのデザインなど、デザイン学部ならではの専門的な知識が身につきました。