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現代を生きる若者に提案する苔の可能性

17Z1-082 関口 成夢
現代、様々な若者が今を生きることに必死になっています。心をなくして生きる日々に苔の生命力と緑の素晴らしさを提案します。苔テラリウムで世界を表現しましょう
植物
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苔にはどんな意味があるのか?

君が代は千代に八千代にさざれ石の巌(いはほ)となりて苔のむすまで。いきなりですが日本の国歌を振り返ると苔、入ってます。オリンピックなどでも歌っているので、苔に対するみなさんの潜在的な意識ではポジティブな印象に感じている方が多いのではないでしょうか。さて、ダーウィンの進化論によると地球の生まれて生命が誕生して間もない頃、海中の細菌やアメーバ、光合成する植物が進化して陸に上陸しました。それが苔の祖先になります。そう、苔とは植物の始祖、原点と言っても過言ではない植物であると言えます。苔よ、ありがとう。
実際に触ってみた感覚、普通の植物とはまた違う苔独自の触感に魅了されます。よくワビサビというように、日本人は美意識の中に間を美しいと感じることがあるようです。ワビサビとは、時の流れる間を感じた時におこる、懐かしさとは違う感覚のことを言います。ワビサビを感じる例として、山奥に不法に廃棄された年代物の車。これを山奥で見つけたらなんとも言えない、しかし、、、なんかいい、、と言った感覚になるのではないでしょうか。長い年月をかけて繁殖して成長する苔には身近にワビサビを感じさせてくれるのです。

※http://rcp2.blog26.fc2.com/blog-entry-93.html

テラリウムとは

テラリウムとはラテン語のterra大地とarium場所をあわせた造語。テラリウムの起源は19世紀のヨーロッパにて生まれたとされています。ウォードの箱という世界の珍しい植物や有用な植物を集めて薬用や工業用などに使用される植物をガラスケースに入れたことが起源とされています。当時、飛行機などの物流ラインが盛んではなかったために生きた植物を持って帰るのは至難の技でした。船の上では満足な水を与えれず、潮風にさらされダメになってしまうなど、本国に持ち帰るまでに植物が死んでしまうことが多かったのです。それを解決したウォードの箱は密閉されたガラスケースの中で蒸発した水分が結露して土に戻ることを発見したのちに、瞬く間にウォードの箱が広がりました。この技術が現代に引き継がれていき、苔を育てるようになりました。以上のことを踏まえて苔テラリウムはどういった流れで製作することができるのかを簡潔にご紹介します。まずはガラス容器を用意する。広い部屋や庭がなくても用意できます。そして土台となる砂や砂利を用意します。苔の用意は通販で買うことをお勧めします。これで準備ができました。まずは土台からです。そこから順に砂利、炭、土と地層を作って行きます。土台が完成したら自分の好きなように苔を敷き詰めます。これで完成です。この手軽さが苔テラリウムの真骨頂とも言えるでしょう。

※http://www.kokemusubi-webshop.com/items/23499406

ウォードの箱
※https://ja.wikipedia.org/wiki/ウォードの箱

私の苔世界

皆さんは軍艦島という長崎県長崎市にある島をご存知でしょうか。別名軍艦島と言われている無人島で、2015年に国際記念物遺跡会議によって世界文化遺産として登録されています。しかも「明治日本の産業革命遺産である製鉄・製鋼、造船、石炭産業」という文化遺産の構成資産の1つとして登録されました。
航空写真を見ると、島の周りに埋め立てによってできたエリアがあるのが良く分かります。そして島に鉄筋コンクリートの建物がいくつも建っています。しかし、そのどれもが崩壊した建物。一言で言えば「廃墟」そのものです。
かつて栄えていた島が、住民とともにいなくなり、植物も生い茂り時の流れを感じます。この軍艦島を上空写真から見てみると、なんとも言えないワビサビを感じるのではないでしょうか。私の製作した苔テラリウムはこの軍艦島にインスピレーションを受けて製作しました。苔テラリウムで表現することができる自分だけの癒しの場で小さな世界ですが、これまでになかった自分の部屋にこの苔テラリウムがあることによって心が安らぐのではないでしょうか。

長崎県長崎市にある軍艦島
※http://boken.nagasaki.jp/spot/boken131.html

関口 成夢

好きな授業
私が好きな授業は「企画表現演習」です。これまでの人生の中でなかなか無いような授業でした。協力することの大切さと人間の多様性を理解できる、楽しくも辛い内容でした。

学部を振り返って
正直自分は人知れずこっそりと大学生活をして四年間終わって行くんだろうな、、と思っていましたが、振り返ってみるととても恵まれ、楽しい大学生活だと感じました。

学部で身につけた力
自分でリサーチすることと、人との付き合い方です。自分はデザインを通した結果、自分の力を繋げられることができるようになりました。