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心と体

実録・精神疾患

17Z1-076 杉山 奈々
世の中にはびこる精神疾患。うつ病、PTSD、摂食障害な
ど、数え切れないほどの症状がある。
あなたはいくつ知っているだろうか。精神疾患の現状と、
患者の苦悩を知っているだろうか。
経験者が書く、実態と苦悩のドキュメンタリー。
コミュニケーション心理社会
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精神疾患とは

 精神疾患とは、脳の働きの変化によって、感情や行動などに著しい偏りが見られる状態のことである。急に悲しくなったり、自殺を考えたり、無断欠勤、失踪などが、症状としてある。日常生活を送ることが困難になってしまう。精神疾患にも様々な症状がある。特効薬はない。早期発見であれば完治の兆しはあるが、症状が曖昧なため早期発見は難しく、完治することも難しい。難病と言っても過言ではない。
 精神疾患にはグレーゾーンが存在する。風邪の症状の重さが人によって異なるのと同じようなもので、精神疾患による症状が軽い場合と重い場合がある。症状が軽いと、周囲にはもちろん、自分でも精神疾患を患っている状態だと気づけないことがある。気づくのが遅いと悪化する可能性があるので、大変恐ろしい病気だ。しかし、精神疾患は知名度はあるにも関わらず、社会的に関心が薄いと感じている。患者に対する社会的サポートはあるものの、正確な理解が浸透していない。
 精神疾患の患者は増加傾向にあるが、コロナ渦中での増加ということもあって、精神病院は予約が困難なまでになっている。今、このご時世では病院に行けないからこそ、自宅で行えるサポートも需要が高まっている。
 私も精神疾患を患っていた。こういう時、日常生活は送ることが出来ているものの、途中でつまづいてしまい、社会に追いつけなくなってしまうことがあった。
 精神疾患は周囲の理解、サポート、精神疾患に罹っているという本人の自覚、治療していく覚悟、改善していくという意志が重要になる。自分が精神疾患であるかを確認したり、周囲の人に理解してもらうには、精神疾患の知識が必要だ。正しい情報の共有があれば、もし何かあった時にすぐにそれを理解することができる。
 対処法は人それぞれになるので、その人にあったサポートを行うべきである。一概に決めつけはせず、柔軟な対応をすることが理想である。

精神疾患の種類

 精神疾患の種類は現在発見されているだけでも8種類以上ある。まだまだ発見されていない病気もあるはずだ。さらにややこしいことに、症状だけで病名を断定することは難しいので、自分がどんな病気なのか曖昧なままなのである。精神疾患の代表的なうつ病、双極性障害、摂食障害、睡眠障害などの症状および
それらについての対処法を一つ一つ解説する。
 うつ病:気分がすぐれない、憂うつ、ずっと落ち込み続ける「抑うつ気分」になる。抗うつ剤の投与が一般的。
 双極性障害:抑うつ気分と興奮した「躁状態」の繰り返し。気分の高揚と低下の落差が激しい。自覚が困難。気分安定剤を投与するが副作用が激しいので注意。
 摂食障害:拒食症、過食症、過食嘔吐に分類される。10~20代の女性が罹ることが多い。薬の処方はなく、食事量を適度な量に安定させることが重要。
 強迫性障害:ひとつのことに執着してしまい、頭から離れなくなってしまう。治療法は少ない。
 解離性障害:多重人格になる障害。一部の記憶が抜けてしまう、自分が自分でなくなる時がある。有効な薬はないので周囲との信頼関係が重要。
 睡眠障害:不眠症や過眠症に分類される。基本的には生活リズムの見直し。不眠症の場合は睡眠薬の投与。
 PTSD:トラウマとなった出来事が蘇り、パニックや精神的疲弊を起こす。治療薬と独自の治療法がある。
 てんかん:意識を失って反応がなくなる「てんかん発作」が起こる。老若男女全てに起こりうる病気。抗てんかん薬の投与が基本。
 これらが代表的であるが、細かく分類するともっと病名は多い。気づかないうちにどれかに罹っているのかもしれないのだ。

精神疾患を正しく認識してもらうためには

 知名度はあるものの、正確な症状や治療法がよく認識されていない精神疾患。名前だけではなく、正確な症状も認識してもらわないと、間違った情報などが蔓延して、患者や周囲の人が混乱してしまう。どうすれば認識してもらえるのか。精神病院にいくと、ほぼ必ず「精神疾患についてのガイドブック」が置いてある。フリー素材の自然の写真、家族団欒のイラスト、ピンクや緑で構成されたガイドブックだが、手にとって見ている人は少ないのではないか。そもそも、精神疾患に縁のない人が精神病院にいくこともない為、そういう人に見てもらうためには、ガイドブックを置く場所やガイドブックの外装にもこだわらなければいけないのだ。
 精神疾患の知名度調査のため、友人や知人に精神疾患をどのくらい知っているかのアンケートを行った。精神疾患は意外と身近で起こっていた。精神疾患は再発もあり得る病気だ。またいつ身近で起こるか分からない病気なので、正しい基礎情報
を身につけないといけない。
 SNSやメディアでも取り上げられていることが多いが、どれくらいの人が見ているのだろうか。ドキュメンタリーやインタビューなど、見る人を選ぶ作品形式が多いので、誰でも関心が持てるようなガイドブックを制作する予定である。
 患者の周囲からのサポートだけでなく、患者自身の治療の意志も重要になってくる。自分が精神疾患に罹っていることをはっきりと自覚する、周囲との信頼関係を築く、治療薬やカウンセリングを怠らないようにする、といったことが重要である。
 以上のことを、周囲の人にもっと知ってもらい、社会を変えたい。

杉山 奈々

好きな授業
私が好きな授業は、企画表現演習4です。一から企画を作成し、実際に実現してプレゼンをする授業ですが、一番ためになった授業でした。社会とデザインの関わりを知り、実際に体験することができました。

学部を振り返って
デザインの基礎から学び、体験し、やりがいのある授業が多かったと思います。過酷な時期もありましたが、学部の友人と協力してやり遂げ、大きな達成感を味わえました。

学部で身につけた力
学部の授業では様々なことを学び、力として身につけることが出来ました。企画表現演習ではプレゼンをする機会が多いので、4年間でプレゼンをするまでの段取りから実践までをスムーズにこなせるようになりました。