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鉱物学を取り入れた手紙習慣のブランディング

17Z1-057 小嶋 真里奈
昨今SNSの普及により「手紙を書いて送る」という習慣が減少しています。私は現状を維持するために習慣を残すのではなく、新しい付加価値を与えたうえで習慣をより有意義なものにできないだろうかと考えました。今回は一見なんの関係性もない「鉱物学」の要素を取り入れ、そこから共通点を発見し今までにない全く新しいブランドを形成します。
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対象は、手書きで手紙を書きたい人

 昨今、人は手紙を書いて送る習慣から離れつつあります。私は新しい試みを提案することで習慣を残すことはできないだろうかと考えました。「文字を書いて伝える」という人にしかできない行為をより有意義にできないか研究しました。人が手紙へ向ける関心についての調査から課題を読み解き、解決策を提案します。文化庁が実施した「国語に関する世論調査」では「今後もなるべく手書きで手紙を書くようにすべきである」という項目で男性は42.2%であり、女性52.4%が「そうである」と答えています。10%以上の差があることから、女性の方がより一層「今後もなるべく手書きで手紙を書くようにすべきである」と考えていることが分かるでしょう。以上のことから私は、卒業研究でアプローチする対象を「16歳~19歳、20代の女性」に絞ることを決定しました。

平成16年度「国語に関する世論調査」の結果について/文化庁
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/h16/

平成24年度「国語に関する世論調査」の結果の概要/文化庁
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/h24_chosa_kekka.pdf

鉱物学を取り入れたブランドの提案

 「手紙」と「鉱物」には共通して「物語」があります。手紙には必ず送る相手がいて、鉱物には必ず発祥地と言い伝えがあります。この繋がりを活用することで、新しい価値を生み出せるのではないかと考えました。鉱物と手紙を掛け合わせることで「同じものは一つもない特別な一品」という演出ができるのではないでしょうか。親しみやすい鉱物について調べた結果よく知られるのは「誕生石」であることが分かり12種類の宝石を定めました。このインクを販売するブランドを「MineraLink」と名付けます。「ミネラリンク」と読み、鉱物「Mineral」、繋がり「Link」、顔料「ink」、3つを合わせた造語です。長い歴史と言い伝えを持つ鉱物と誰かへ渡す想いを書くインクを繋げることで、今までにない新しいブランドを実現したいという考えからこのブランド名に決定しました。

天然ジュエリー通販「BIZOUX」公式サイト
https://www.bizoux.jp/fs/bizoux/c/birthstone

商品説明と、商品がもたらす効果について

 鉱物をイメージしたインクのため宝石の端をドロリと溶けた形状にし、その下にインクの瓶を描くことで簡潔に伝えます。コンセプトは「宝石のような言葉をあの人に」。このフレーズが目に留まった時「あの人」という字を見て不意に誰かを頭に思い浮かべるなど、自分にとって大切な人を思い起こすきっかけになるキャッチコピーであってほしいという思いから決定しました。商品であるインクの容量は25ml。量を少なくすることで使いきれないリスクを減らし、他の種類のインクにも手を伸ばしやすくします。このブランドを利用することで、顧客は商品を通して鉱物学という新しい知識を持つことができます。今まで知らなかった新しいものごとに対し関心を持つきっかけを提供することで、「自分の知らないことを知るのは楽しい」という出会いと体験を演出します。

小嶋 真里奈

好きな授業
「デザイン概論」という授業が好きでした。まだデザインと芸術の違いが分からない頃に、デザイン学部デザイン学科の入り口として巡り合ったものです。高校では受けられなかった全く知らない分野を覗くような話を聞き、心が踊っていたのを覚えています。

学部を振り返って
全てが初めてのことでとても大変な4年間でした。それと同時に、沢山の経験を積んだ4年間でもあります。「ものづくり」の技術は、自分の考えを表現するだけではなく、誰かの考えも表現することができるという可能性に気が付けたことが一番の発見です。

学部で身につけた力
多くの表現技法を身につけました。それはスケッチやデッサンから始まり、模型製作や石膏の作成、焼き物や溶接、印刷技法、動画編集、CG制作、地域とのコラボレーション企画、プレゼンテーションでの発表に至るまで様々なものを経験し学びを得ました。