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心と体

「個性」を尊重するブランド

17Z1-047 北野 明
「個性」とは何か、「個性」のあり方について調査・考察し、現代における「個性」の形成や「個性」との向き合い方について研究を行いました。その結果、多様化する社会の中でひとりひとりの個性を尊重することのできる、自分だけのこだわりやそれぞれの個性を詰め込める「編物× カスタム」をコンセプトとしたブランドとその商品を提案します。
心理ブランディング雑貨
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「open.」の3つのポイント

 今回の卒業研究では「個性」を尊重することのできるブランド「open.」とその商品を提案します。「open.」の商品には、3つのポイントがあります。そのポイントは、「1. 編物」「2. カスタムができる」「3. SNS映え」の3点です。
 「1.編物」がポイントとなる理由は、編目や編み模様が地域独自の特色や、家柄、職業を表すモノであり、個性を表現する手段になりやすいと考えるからです。その例として「フィッシャーマン・ニット」があります。異なる編目や模様の配置、組み合わせが家々で継承され、愛する人が漁で不運にあい、変わり果てた姿で発見されても、編目から持ち主を判別できたという伝説があるニットです [※1] 。そのような事例から、編み目には多様性と個性を主張する力、可能性があると考えます。  
「2. カスタムができる」ことがポイントなる理由は、現代の若者の持つ価値観に
あります。その例として、若者に見られる「ユザクロ」と呼ばれる現象が挙げられます [※2] 。「ユザクロ」とは、ユニクロの商品にユザワヤの装飾品を利用し一手間加えることです。自分のフィーリングに合わせたアレンジによって「自分っぽさ」つまり「個性」を表現する価値観が、現代の若者にはあるのです [※3] 。
 「3. SNS映え」がポイントなる理由は、現代の若者はSNSによって個性を構築しているからです。もう一歩踏み込んで述べれば、SNSで承認されることで、他者との繋がりを確認する手段ともなっているからです。そのことは、若者の価値観や情報行動を研究している天野彬氏や承認欲求について研究している小林琴美氏などによって指摘されています [※4,5] 。
 以上のことから、「1. 編物」「2. カスタムができる」「3. SNS映え」の3点のポイントから、本研究では個性を尊重するブランド「open.」を提案します。

※1 フィッシャーマンニット
その後の研究において、伝説は史実とは異なることが指摘されている。

※2 ユザクロの例

※3 藤本耕平『つくし世代「新しい若者」の価値観を読む』光文社 2015 年

※4 天野 彬『#シェアしたがる心理』宣伝会議 2017 年

「open.」に込めた想い

 「1. 編物」「2. カスタムができる」「3. SNS映え」の3点を兼ね備え、「個性」を尊重することのできる「編物×カスタム」をコンセプトとしたブランド「open.」とその商品を提案します。
 ブランド名「open.」には、「open」という単語が「解放する、受け入れる」という意味を持つことから、このブランドの商品を活用する人の個性を解放する、それぞれの個性を受け入れるというメッセージを込めています。
 また「. ( ドット)」には、区切るや注目を集めるという意味があるため、他のモノとの差異を表し、「個」を際立たせるというメッセージを込めています。
 ターゲットは20~24歳の女性です。

※5 小林 琴美「承認不安と現代の若者」『早稲田大学文化構想学部現代人間論系岡部ゼミ・ゼミ論文』 2017年

※6 模様の種類

「open.」の仕組み

 商品は18種類の異なる模様を持つ「編物」で出来たパーツでできています。そのパーツを好みに合わせ組み合わせることでオリジナルの雑貨に「カスタムできる」商品となっています [※6] 。そしてカスタムという形で商品づくりに参加することで、「SNSで発信」を行う上での格好のネタとするこができます。また商品は自分の個性を反映させたものなので、他者の反応によって「個性」の承認を得られる仕組みになっています。
 以上の「1. 編物」「2. カスタムができる」「3. SNS映え」といった3つのポイントによって「open.」は「個性」を尊重することを実現します。
 「open.」の「編物×カスタム」をコンセプトとした商品を提案することで、ターゲットとする20~24歳の女性が個性を主張し、承認欲求を満たし、人間関係を構築する助けになることを願います。また自分の個性に悩んでいる人が、自分の個性と向き合うきっかけや、個性を構築する助けになることを願います。

実際の商品例

北野 明

好きな授業
卒業研究を行った土田ゼミです。ゼミでは、ゼミ仲間たちと情報を共有したり意見を出し合って1年間ともに頑張ることができました。また、土田先生のおかげで最後までやり遂げることができました。土田ゼミ万歳!

学部を振り返って
同期、先輩後輩、先生、指導員さん、デザイン学部に入って素敵な出逢いが沢山ありました!!!特に同期とは、朝から晩まで一緒に課題に取り組み支え合って愛を深めました。デザイン学部最高!入学してよかった!愛!

学部で身につけた力
PCスキルはもちろん、人に伝えるプレゼンスキルやコミュニケーションスキルを身につけることができました。
デザイン学部で身につけた力は、課題だけでなく多くの場面で役立ちます。