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感性を利用した購入サポートアプリ「バディ」の提案

17Z1-034 梶内 啓照
本研究は、「消費者の満足を支援すること」を目標としています。近年、商品を購入する際、買い手側の理解不足によって、風評被害や顧客離れなどの問題が起きています。それを解決し豊かな購買を生み出す為、アプリ使用者個人の感性を学習する事で、消費者が納得のいく購入をサポートすることを目的としたスマートフォンアプリの提案を行います。
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本研究のきっかけ

 本研究は、「消費者の満足を支援すること」を目標としています。人々が商品を購入する際、買い手側の理解不足によって購入後と購入前に生じる「これじゃなかった・イメージと違った」と言う齟齬から生じる、風評被害や顧客離れなどの問題を解決する為に、感性を利用して消費者をサポートするスマートフォンアプリの提案を行います。
 このテーマを選んだのは、私自身の経験や、周囲の知人、またSNSを通して知り合った人々との会話がきっかけでした。それは、商品を購入する前のイメージと購入した後のイメージの齟齬によって、その商品を再度購入しなくなってしまう問題でした。また、商品を購入しようとした人に、マイナスの意見を伝えてしまう人も居ました。商品のターゲットに合う人が居るにも関わらず、その人達の目に触れにくくなってしまう。購買におけるこうした問題は経済効果にも影響していくと考えます。

ローソンの事例から見る販売促進の問題点

 何故この様な事が起こるのか、それは消費者個々人に寄り添った販売促進が出来ていないからだと考えました。例えば、ローソンでは2020年春頃に自社商品のパッケージを大きくリニューアルしました。ローソンの狙いは、コンビニっぽくなく、商品を「買ってきた後に、家やオフィスにしっくりなじむ」様な、人々の生活に馴染む商品を展開したいと考えていました。その結果、SNS上ではパッケージについて賞賛する人もいれば、パッと見て商品が分かりにくいなど賛否両論の声が上がりました。ローソンは、消費者達の声からデザインを徐々に変え、人々に馴染むデザインへと改良していきましたが、そこには個々の消費者目線と言うよりも、消費者の全体像としての大衆や自社のブランドを重視した販売促進が目立ちました。確かに、販売促進の視野を全ての消費者に当てる事は、多くの人々の注目を集め、商品の宣伝にはなりますが、それは商品に合う人と合わない人を極端に分けてしまいます。商品に合う一部の人のみが商品を買うのでは、その人達だけのための販売促進となり、新しく販売促進を行おうとしても、商品の展開がリピーター目線に基づいた中でしか展開できなくなってしまいます。

2020年に大きくリニューアルされたローソンのパッケージの一例です。パッケージは、人々の生活に馴染む様なデザインを意識されており、必要最低限の情報量のみでまとめられました。

感性を利用した購入サポートアプリ「バディ」の提案

 そこで私は、人々の購入をサポートするスマートフォンアプリ、「バディ」を提案します。バディは使用者本人の感性を学習する事で、アプリ使用者本人に合わせた購入サポートを行います。これは従来の Amazon や楽天市場などで見られる、不特定多数のユーザーの購買傾向をもとに商品が提示されるものとは異なり、完全にアプリ使用者に合わせた商品の提示を行うアプリです。その日の最初にアプリを起動させた時にアプリ使用者に、いくつかの質問を行う事で、使用者の好みを学習していきます。ここで行われる質問を通して、アプリは使用者の気分や色などの好みを学びます。その情報は後に商品を提案する際の参考として活用されます。
 アプリの機能は大きく分けて、「AIサポート購入」「検索購入」「汎用購入」「本日の質問」の4つがあります。「AIサポート購入」がアプリのメイン機能であり、他の3つの機能が使用者の感性を学習する為の機能として働いています。
 例えば「汎用購入」では、日用品や雑貨など普段から購入する物を使用者がアプリを通して購入する事で、商品のメーカーや色や材質などの情報をもとに使用者の感性を細かく学習します。他の「検索購入」や「本日の質問」の機能でも同様に、使用者が購入を行う際の商品の属性や特徴を細やかに学習していきます。学習されたデータは、後に「AIサポート購入」に反映されていき、購入したい商品の種類を入力しただけで、それまでに学習した、使用者の感性に応じた商品の一覧が、画像で提示されます。
 個人に寄り添った販売促進を行いアプリ使用者の好みに合う商品を提示する事が出来れば、商品と消費者に理解が生まれ、信頼感からより納得のいく購買へと繋がります。自身の好みを理解してくれるという事は、全ての消費者に対して行う販売促進よりも、商品に合う人が直接的に分かります。多数の人が、揃って同じものを欲しいとは限りません。
 個人に寄り添った販売促進は、より多くの商品を消費者達に周知させるだけではなく、販売促進を行う人も異なる視点から需要を知る事が出来、販売促進の幅が広がります。
 アプリを通して商品への風評被害が減り、ニーズに合う人達に商品が届く事を願います。また、大衆ではない個人の好みを学ぶ事が、販売促進に取り入れられ、消費者と生産者の間に豊かな関係が生まれる事を願います。以上が感性を利用した販売促進アプリ「バディ」の提案です。

アプリを初めて利用すると、使用者の感性を把握するために数分程度の質問を行い学習を始めます。

ここではアプリを通して購入を続ける事により使用者の感性に対する学習を深め質問の精度を高める事が出来ます。

その日初めてアプリを起動させると上記の画像の様に質問が開始されます。

「本日の質問」で答えた内容が、思い返してみると違っていたという場合、質問への回答を後から入力し直すことができる様になっています。

梶内 啓照

好きな授業
広告に興味があった私はグラフィックの授業が好きでした。特に触れて来た事のないコンピュータソフトを用いて製作を行う作業は毎回新鮮な気持ちで楽しめました。知らなかった技術を体験して身につけて行く事に楽しさを感じました。

学部を振り返って
学部を振り返って見て、多くの学生と関わる事で自分では気付かなかった問題や考えようとしなかった物事に対して思案する事が、自分が向上する為の礎になれたのではないかと思います。

学部で身につけた力
学部を通して身についたと実感する力はチームで多くの課題に取り組んだ事による自己発信力だと思います。自己的に動き出す事が自身だけでなくチームへの貢献につながりました。