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営業の分類についての調査・分析

16Z1-123 山田 昌弘
多くの学生は、素朴な動機から漠然としたイメージのまま営業職に就き、その結果、後悔や挫折を味わっている。本研究は、漠然としたイメージしかない営業という仕事について調査する。その上で、営業職をよく知らない学生が進路を決定する上での判断材料となるような情報提供に繋がる企画を提案する。
大学(学生)能力社会
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営業とは

 法律(商法)では営利性があって継続性がある事業のことを営業と定義している。しかし、一般的に営業といえば、職種の1つという意味合いで使われることが多く、本研究も職種の意味合いとして使っている。そこで、本研究の営業の定義は、「営利を目的として顧客との折衝を行う」とする。その上で、現代における営業が、どのようなものであるか、過去との比較から整理する。
 インターネットが普及する前の時代では、売る側から得られる情報を頼りに買うのが一般的であった。買う側としては、売る側から提示された商品以外には、ほぼ選択肢がなかった。ところが、インターネット、スマートフォンの普及により、いつでも、どこでも、ネット上の膨大な情報に簡単にアクセスできる時代になった。現代では、買う側が事前に商品・サービスに関して得られる情報や、選択肢そのものが膨大に増えたのである。
 また、モノやサービスの需給バランスは、第二次世界大戦後の『需要>供給』から、高度経済成長を経て日本が先進国へと発展していく中で『需要<供給』へと変化してきた。 2020年の現在では、モノやサービスのどちらについても供給過多の時代になっている。
 このように、営業そのもののあり方が変わってきている。

営業の具体的な業務

 具体的に営業はどのような業務を行っているのか?ここでは、漠然としたイメージで捉えられがちな営業について、その業務内容を正しく理解するために、営業を分類、細分化し整理する。切り口は少なくともで六つある[※1]以上あるが、その中で、業務に大きな違いを生む二つを紹介する。
[顧客との関係性による分類]
顧客との関係性に着目し分類すると、新規顧客開拓営業と既存顧客フォロー営業の違いがある。新規顧客営業とは、文字通りに新規顧客を開拓する営業活動であり、飛び込みなども必要な典型的な営業の一つと言える。この分類が当てはまる。飛び込みなどのイメージが先行した結果、営業全般に苦手意識を持った方が増えたともいえるだろう。一方で、既存顧客フォロー営業とは、過去に取引実績のある既存の顧客に対して定期的に営業活動を行う。既に関係のある特定の取引先との商談を前提としており、関係維持が重要となる。そのため、フォローが主な活動となる。一般的には、新規営業より既存顧客フォロー営業の方が商談を得るための労力が小さいと言われる。
[営業のプロセスにおける分類]
営業のプロセスに着目し分類すると、主に前半の業務を担当する内勤営業(インサイドセールス)と、後半の業務を担当する外勤営業(フィールドセールス)に分けられる。内勤営業(インサイドセールス)とは、顧客の元へ訪問せずに、非対面の営業活動である。アメリカ発の新しい営業活動であり、IT系企業などを中心に日本でも着実に導入する企業が増えている。外勤営業(フィールドセールス)とは、顧客を訪問したうえでの対面の営業活動であり、その名の通り、外回りをして営業活動をすることから、この分類も、多くの人がイメージする営業といえる。
 この二つの切り口による分類は、営業をよく知らない学生が持つ典型的な営業のイメージとこれまであまり認知されていない新しい営業のイメージを含んでいることから、これらの情報に絞って理解することで、学生が営業を具体的にイメージすることに役立つものだと考える。

六つの切り口による営業の分類[※1]
①営業対象による分類
→法人営業、個人営業
②顧客との関係性による分類
→新規顧客開拓営業
 既存顧客フォロー営業
③営業手法による分類
→御用聞き営業
 商品提案型営業
 課題解決型営業
 インサイト営業
④商品の特性による分類
→見込み生産型の商材を対象とした営業
 受注生産型の商材を対象とした営業
⑤顧客の購買動機による分類
→インバウンドセールス
 アウトバウンドセールス
⑥営業のプロセスにおける分類
→内勤営業(インサイドセールス)
 外勤営業(フィールドセールス)

営業理解促進の企画『営業職の区別の仕方 タイプ別仕事の様子』

 本研究では、営業職をよく知らない学生が進路を決定する上での判断材料となるような情報を提供することを目的とし、先で述べた「営業のプロセスにおける分類」と「顧客との関係性による分類」について、営業タイプを改めて整理し、それらの情報を紹介するための冊子[※2]を提案する。
 冊子では、営業を「訪問する営業(外勤営業)」と「訪問しない営業(内勤営業)」で大分類し、それぞれを「新しいお客様開拓(新規顧客開拓)」と「従来のお客様フォロー(既存顧客フォロー)」で場合分けすることで、新たに4つの営業タイプに分類し、それらの概要、仕事の流れ、必要なスキル、業界について、専門書のような難しい言葉をできるだけ使用せずに紹介する。
 冊子により、営業がどのようなものであるかを正確に理解してもらうことができれば、今後、営業職を目指す学生が向き不向きを事前に判断することができ、仕事に就いてから後悔や挫折することを回避できる可能性は十分あると考える。

冊子のイメージ[※2]

表紙

目次

紹介イメージ

山田 昌弘

好きな授業
グラフィックデザインが好きです。なぜかと
いうと、元々広告が好きで、特にデパートコ
スメのリーフレットがとても好きなので広告
などを学べるグラフィックデザインがとても
好きです。

学部を振り返って
相談のしやすい教授や指導員ばかりでとても
いい環境で過ごせました。特に指導員さんに
は、学校のこと以外にプライベートの相談も
できてフランクに話せる環境がとても良かっ
たと思います。

学部で身につけた力
デザイン力に限らず、企画力やスケジュール
管理、プレゼン力などを学びました。特に、
企画力では企画表現でのヒト、コト、モノを
上手につなげて機能させる事を学び、今後の
「デザイン」する機会があればとても役立
つと感じました。