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この豊かな食卓に雑談を

16Z1-095 畠中 啓成
コロナウイルス禍での生活様式の変化により、生活にメリハリがなくなってきていると感じています。このことから、学生や家族層に向けて、食卓に絶えず会話があり、生活が豊かになる爪楊枝入れを企画提案することにしました。爪楊枝に関する論文等の読解、実際の爪楊枝入れの観察などを通して考察し、爪楊枝入れのデザインを考え企画提案します。
雑貨
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研究背景

 私の卒業研究のタイトルは、「この豊かな食卓に雑談を」です。
 昨今のコロナウイルス禍での生活様式の変化で、ステイホームによるおうち時間の長期化が進んでいます。家庭で長い時間を過ごしていると、どうしても会話が少なくなり、話題も尽きてしまうと思いました。特に、話題が尽きてしまった食卓を囲む時間はとても耐えがたいであろうことが予想されます。そのような時に、食卓に話題となるものがあれば、絶えず明るい会話ができるのではないかと思い、今回の企画提案を考えました。
 この企画は、学生や家族層に向けて提案します。コロナ禍であっても、おうちで過ごす時間に絶えず会話があることで、少しでも生活が豊かになる、そのきっかけとなる食卓の上の小さな爪楊枝入れを企画提案します。
 また、爪楊枝入れを研究テーマにしようと思ったきっかけはもう一つあります。その大きなきっかっけとなったのは、アニメが好きな私が、あるアニメに登場するキャラクターに因んだ料理が食べられるレストランへ友人と行った時に、そこで見た物に驚かされた事でした。そこで見た爪楊枝入れが、戦車の型をしていたのです。その爪楊枝入れを見た瞬間に「これはすごい」と思わず言葉が出ました。それがまずきっかけとなり、一緒に居た友人と話に花が咲きました。この小さな物がきっかけで、食卓に楽しい会話が生まれるんだ、との思いから、食卓に明るい雑談をもたらす爪楊枝入れを研究テーマにしようと思い立ちました。

調査研究

 では実際に、どのような爪楊枝入れを企画提案したら良いのか、「絶えず会話が続くような爪楊枝入れとはどういう物なのか」また「衛生的で使い勝手の良い爪楊枝入れとはどういう物か」などのデザインについての問題点や課題について考えていきました。
 爪楊枝に関する論文等の読解、様々な爪楊枝入れの観察などを、企画提案する爪楊枝入れのデザインに活かすことにしました。
 先行研究を探していく中で、日本青少年育成協会の理事を務めた池上公介氏が、幻冬社ゴールドオンラインに2017年2月5日で発表した「食卓の会話が学力の土台に!?家族で食事をする重要性」[※1]という記事を読みましたその内容から、私の塾講師のアルバイトの経験との共感する部分がありました。具体的には、池上氏の言う「食卓での会話は学習に繋がる」と言う点と、教育現場での、楽しみながら学ばせる、意思疎通のある会話が学力向上に繋がると言う点で、この研究を進めていく上で大変参考になりました。
 また、実際に飲食店等に出向き、どのような爪楊枝入れがあり、どのように爪楊枝が収納されているか観察、調査しました。
良く訪れた店にあった爪楊枝入れは、蓋が無い容器で裸の爪楊枝が入れられている、他の店でもよく見かける物でした。この爪楊枝入れを見て、虫の侵入が心配になりました。
 また、ある焼肉店にあった爪楊枝入れは、個包装された爪楊枝が纏めてゴッソリ入れられているものでした。小包装されていることは衛生面では問題ないのですが、袋から取り出さないといけない、その点が煩わしいという事が挙げられます。
 もう一つ、別の爪楊枝入れの代表格として、箸入れとの一体型になっている容器も有ります。ですが、これも問題点が有り、入れ物が大きい為、開ける際に片手では開けにくいのです。その上、この入れ物の主役が箸である為に、爪楊枝の入る部分が小さいのです。これは大変取り出しづらい、と感じました。
 様々な爪楊枝入れを実際に観察した結果、考察として、衛生面での更なる配慮において、出来るだけ触る部分を減らす等の工夫が必要だと考えました。そして、虫の侵入や埃が被ることを防ぐ為に、蓋があることを前提に且つ、爪楊枝が取り出しやすいデザインにすることにしました。

[※1]池上公介「食卓の会話が学力の土台に!?家族で食事をする重要性」 https://gentosha-go.com/articles/-/7289

押出し式爪楊枝入れ

 箱の中には筒状の容器に入った爪楊枝があり、それを押し棒でおしだして取り出すかたちになっています。底面にはバネが仕込まれているので一つ取り出すたびに中にある次の筒がせりあがってくる仕組みになっています。このデザインは、銃の弾倉をヒントにしました。弾倉は銃弾が発射されるたびに次の銃弾がせりあがってくる仕組みになっています。この仕組みを、デザインの考えの中に取り入れました。
 長期間に及ぶおうち時間において、このような驚きのある爪楊枝入れがきっかけとなり、食卓に絶えず会話があり、少しでもステイホームの生活が豊かになればと考えます。

畠中 啓成

好きな授業
好きな科目は教育学。私はもともと、教育についてうるさい方で、昔から教育とはなんなのか疑問に思っていた。2年次に、履修を選択するにあたり、「教育学」という文字が目に入り、履修登録をした。講義内容は素晴らしいもので、私がもっとも好きな講義だ。

学部を振り返って
この学部は、他の学部よりプレゼンが多いのではないかと思う。2年次の前期に履修することになる企画表現演習3はグループワークで主に調査が主体であったことを覚えている。2年次、3年次の後期は個人作業ではあったが、とにかくプレゼンが多かった。

学部で身につけた力
私が学部で身につけた力は、物をデザインする企画力。4年前期中にプロダクトデザインを履修していた。企画するという力だけではなく、実際に作るいう力も得た。大変ではあったがこれは私にとっての力となった。